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世界を変えるきみはどこにいる

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プロジェクトストーリー

特許を出願するだけが知的財産の仕事ではない。先進の知財戦略で世界と勝負することがミッションだ。

 様々な新規の開発プロジェクトに密着して新しい技術を発掘し、特許というかたちで権利化していく。
 メーカーにおける知的財産部門の業務内容を説明するとき、よく、こんな言葉が使われる。
 しかし三菱重工の知的財産部で働くメンバーたちは、口を揃えて、こう反論した。
「それは知的財産の仕事のほんの一部に過ぎない」「特許権をとったからといって必ず製品が守られるほど甘くはない」「もっとも進んだ知財戦略が世界を舞台にビジネスを成功させることができる」
 多様な技術を結集させて多彩な商品をつくり、世界中に供給していく三菱重工だからこそ求められる高いレベルの知財戦略。
 最前線で活躍する3人のスペシャリストの姿を追ってみた。

現場のアイデアを磨き特許を取るだけでは競争に勝てない
古典的な知財戦略の時代はもう終わっていると思う

 「三菱重工は知財戦略の先進企業になることを目指して、さまざまな取り組みを進めてきました。私の所属する知財戦略グループは、その象徴です」
 そう語るのは、長く知的財産の仕事に携わってきた東川太一だ。
 三菱重工の知的財産部には4つのグループがある。担当する製品をもつ受注品知財グループと中量産品知財グループ、支援部隊の知財サポートグループ、そして東川のいる知財戦略グループだ。
「受注品知財グループは発電プラントや環境装置などの大型受注品、中量産品知財グループはフォークリフトやエアコンなどの量産品を担当します。また知財サポートグループは世界中の弁護士や弁理士事務所と連携を取りながら特許出願に伴う実務を行います。ただし業務内容は決して定型化したものではなく、三菱重工ならではの多彩なビジネススタイルに合わせ、常に新しい挑戦をしていかなければなりません」
 そんなチャレンジブルな姿勢を、より先鋭化したのが知財戦略グループになる。
「知財戦略グループは特定の担当製品を持ちません。特許出願などのニーズが生じてから動くのではなく、知財戦略をシーズに今後の事業展開を考えるといった、従来にはなかった活動をしていくのです」
 具体的にはこういうことだ。たとえば三菱重工で新たなビジネスを計画したとする。そんなとき、知財戦略グループは企画段階からプロジェクトに参画し、強い競争力を発揮できる技術を見出して知財面から分析する。プロジェクトを成功させるために、必要な知的財産をデザインしていくためだ。その結果、どういった知財を確保すれば競争に勝てるか明確になり、競合他社に対する優位性を長く発揮できることになる。
「現場のアイデアを磨き上げ強い特許権を取得していく。そんな特許出願業務は私たちの仕事の基本であり、とても重要です。しかし、それだけでは、競争力を維持できない時代になっている。知財戦略としては古典的だと思いますね。これからはもっと広い視野で知財戦略を考え、広い範囲に展開していかなければ、ビジネスを有利に進めることはできません。三菱重工の知的財産部が目指しているのは、そんな未来志向の知財戦略なのです」

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先進の知財戦略を活用することで日本の製造業を強くしていきたい

 三菱重工が目指す未来志向の知財戦略とはどんなものなのか? 東川と同じ知財戦略グループに所属する林力一は、キーワードのひとつとしてモジュール化を挙げた。
「わかりやすい例がパソコンです。昔はCPUが演算処理、メモリが記憶…というようにパーツごとの機能がバラバラだったため、組み立て工程の付加価値が高く、摺合せの得意な完成品メーカーがビジネスの主導権を握っていました。しかしその後、CPUが多くの機能をもち、パーツからモジュールに進化してきたことで、CPUメーカーの開発動向がパソコンという商品の命運を左右するようになり、完成品メーカーからCPUメーカーに利益が大きくシフトしていったのです」
 このような動向は重工知財戦略を考える上で、大いに参考になるという。
「例えば、プラントは巨大な摺合せ型の製品です。これまで、プラント技術で特許を取る場合、プラント全体から見た技術的特徴を権利化することがありました。これからは、そのような視点に加えて、収益が集約されるようなコア・パーツに関する技術を権利化し、加えて、その周辺技術もしっかり権利化することで、例えば、プラントの一部がモジュール化され、或いは、ネットワークに結合して産業構造が変化して、強力な部品専業メーカーや新たな事業者が出現したときでも、対抗できるようになります。ただし、どのように知財を集約させていくのがベストなのかはケース・バイ・ケースなので、そのときどきで最適な判断を下す必要がありますね」
 林は日本の技術力に強いこだわりをもつ知的財産のプロフェッショナルだ。
「欧米のメーカーの多くは製造拠点をすべてアジアなどに移し、徹底したコストダウンを進めることで生き残りを図ってきました。しかし日本は強い現場力を持つ製造業によって成長してきた国なのですから、国内拠点の持つ技術力はしっかり生かしていくべきだと思っています」
 もちろんそれだけでは「コストの差」が生じてしまう。しかしそれを埋められるのが知財戦略の力だという。
「先ほどのモジュール化や提携先とのクロスライセンスなど、さまざまな手法を駆使することで有利にビジネスを進めていくことができます。ただしそのためには、私たち自身に多くの経験と知識が必要です」
最終的には個々人のスキルが重要になってくるだけに、三菱重工の知的財産部ではここに登場する3名の他にも多くの社員が弁理士資格を取得しているほか、業務のグローバル化に伴い海外研修に派遣されるメンバーも多い。
「私は今、アメリカで展開している環境装置のビジネスに携わっていますが、その前にアメリカのロースクールに通わせてもらった経験は、いろいろな場面で生きています。今や三菱重工の事業の多くが海外絡みになっているだけに、世界を相手にする機会はますます増えていくでしょう。そしてグローバル化こそが、これからの知財戦略においてもっとも重要なキーワードなのです」

世界を相手にビジネスをしていくには世界に通用する知財スキルが必要だ

 その日、稲垣宏学は久しぶりに古巣である高砂製作所を訪れた。
「入社後の5年間、ここに在籍して主に特許出願の仕事をしていました。知財の担当者にとって開発の実務を知ることは大事なので、事業所勤務は貴重な経験です。ここで培った知識をベースに、今はより戦略的な業務を進めています」
 今、彼が主に担当しているのは、原動機製品の欧米における展開だ。国際ビジネスに携わることで知財戦略の大切さを強く実感している。
「製品によっては、メンテナンスや交換パーツを供給することで収益につながるビジネスモデルがあります。しかし、最近では、他社が作ったコピー製品がビジネスに影響を与えることも少なくないのです」
市場に出回っている製品なら、入手して調べることも可能だが、大型の受注製品になると相手方のコピー製品がどのようなものであるか、完全に把握するのは難しい。しかも、原動機製品の市場は世界中に広がっている。稲垣は、アジア、欧州、アメリカに飛んで情報を集めている。
「そんなとき、『特許を取っているから違法です』と主張するだけでは何の効果も発揮しません。コピー製品の製造元を調べあげ、排除していくために、その国の拠点の仲間に情報収集を行ってもらうといったアクティブな動きも必要になります」
 また海外で製品を販売する場合、その国や地域で権利化されている技術の内容によっては、逆に特許侵害で訴えられる可能性もある。
特許法を始めとする知財制度は、各国で異なる。使用される言語も異なる。その国の弁護士・弁理士と協力して、競合相手が保有している特許権を調べ、知財リスクを下げる活動も重要だ。
 事業所勤務のあと、稲垣は1年間、アメリカのロースクールで知的財産法について学んだ。そんな経験が、今、役立っている。
「技術、法律、語学と必要な知識を身につけられるのは、三菱重工が計画的に知財のスペシャリストを育成しようとしているからだと思います。最近は海外出張が多く、一つ一つの特許出願の処理に携わる機会は少なくなりましたが、一緒に働いてきた仲間のためにも、もっと多くの国や地域でビジネスを有利に展開していける知財戦略を考えていきたいのです」

パーソナルデータ

メンバープロフィール

林 力一 稲垣宏学 東川太一

技術統括本部
知的財産部
知財戦略グループ
主席部員
2009年入社(キャリア入社)
工学研究科
機械工学専攻修了

技術統括本部
知的財産部
知的第一グループ
主任
2003年入社
工学系研究科
産業機械工学専攻修了

技術統括本部
知的財産部
知財戦略グループ
グループ長
1998年入社
先進理工学研究科
応用化学専攻修了

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