材料技術
ガスタービンの高出力,高効率化には燃焼ガスの高温化が必要であり,そのためにはタービン翼など高温部品の耐久性が重要となってきます。高温部品の開発では,最新の冷却技術により金属面の温度低下を図るとともに,最新の耐熱材料を適用することで,より厳しい温度条件での運用が可能となってきました。
耐熱合金にはFe基,Co基,Ni基など主成分による分類があり,製造法によっても鍛造,鋳造などの違いがあります。
Ni基のIN738LCはクリープ強度,熱疲労強度,低サイクル疲労強度に優れ,回転部のタービン動翼の合金材料として一般的で,Co基のX-45やECY-768は熱疲労強度とともに溶接性の良さからタービン静翼などに広く使われています。
三菱重工はこれらの材料をベースとして,新たに動翼用のMGA1400,静翼用のMGA2400,燃焼器用のTomilloyを開発しました。Ni基のMGA1400はIN738LCと比べて30℃高い温度でのクリープ強度があり,普通鋳造(Conventional Casting)翼から一方向凝固(Directionally Solidified)翼を適用することで,更に20℃高いクリープ強度が得られます。同じくNi基のMGA2400は高い溶接性のまま,ECY-768よりも20℃高い温度でのクリープ強度が得られます。(図1)
こういった新材料の開発に際しては,まず,研究開発での様々な要素試験を行い,その後に実機での新材料の長時間運用検証を通じて材料性能の評価を行っています。MF-111ガスタービンでは1994年より,新材料とともに遮熱コーティング(TBC: Thermal Barrier Coating)についても実証運転を行ってきています。そして,それらの運用経験を踏まえて,F形,G形向けの新材料としての上記のMGA1400等の材料開発を行うに至りました。アップレート版のF形にはこれらMGA1400,MGA2400によって大幅に高温部品の寿命を延ばすことが出来ました。(図2)
また,三菱重工は材料開発のみならず,鋳造技術での技術開発にも積極的であり,一方向凝固翼,単結晶(SC: Single Crystal)翼のプロセス開発とともに,三菱重工の100%出資会社を通じて鋳造技術の開発,検証を行っています。(図3)
関連技術情報
担当窓口:原動機事業本部 サービス事業部 サービス事業戦略部