G形ガスタービン圧縮機の開発
三菱重工業は次世代の新しいガスタービンであるG形ガスタービンを開発しました。G形ガスタービンは1500℃級の空冷ガスタービンで、1997年より商用運転を行っています。このガスタービンに適用されている圧縮機は,先行機種であるD,F形の技術をベースとして更なる大容量,高効率化のために開発されたものです。
最新のCFDコード(Computational Fluid Dynamics: 数値流体力学)によって設計されたCDA翼(Controlled Diffusion Airfoils: 減速率制御翼)が、G形ガスタービンの第1段から第8段に適用されています。圧縮機の設計には最新の3次元圧縮機翼設計システムが用いられました。全体の流れ場および流れの挙動は、要素試験データと実機の実測データを反映した自社開発のスルーフローコードによって計算されています。これらの新技術の実機への適用にあたっては、事前にいくつかの検証ステップを計画・実行することで、信頼性を十分に検証しています。
第一の検証ステップとして、チョーク(閉塞)域から失速域までの作動範囲での流入角を変数とした損失係数や転向角の特性といった翼列・段間の基礎データを得るためにCDA翼の調査を行いました。
第二の検証ステップはM501G圧縮機の二分の一スケールモデルであるMF221ガスタービン圧縮機の前方一段のモデル試験でした。これによってCDA翼の試験が行われ、従来翼の圧縮機との比較が行われました。従来圧縮機は動翼に二重円弧翼(Double Circular Arc airfoils: DCA)を、静翼にNACA65C翼を適用していましたが、CDA翼がこれらの従来翼と同程度の空力性能を有することを確認しました。また、段効率およびこれらの従来翼の作動範囲に対してCDA翼が従来翼よりも優れていることが、この試験を通じて確認されました。
第三の検証ステップはCFD設計によるCDA翼を採用した三菱重工業最初のガスタービン圧縮機であるMF221圧縮機の設計でした。
MF221ガスタービンの全負荷での工場試運転は1994年7月に成功しました。
そして、MF221の試運転において測定されたデータを用いることによって、M501G圧縮機の設計は精密で洗練されたものになりました。
第四の検証ステップとしてM501G圧縮機の前方段3段による効率および性能特性を確認するスケールモデル試験を行いました。そしてついに、1997年の初めに三菱重工業高砂製作所においてM501Gガスタービンの検証が行われました。
三菱重工業では、多くの検証を行いながら高い信頼性を持った高効率圧縮機の開発に取り組んでおり、M501G圧縮機はその地道な検証の成果であるといえます。
M501G ガスタービン |
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| MF221 ガスタービン |
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