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世界初のドライ低NOx燃焼器

我が国の一次エネルギーはその80%以上を石炭,石油などの化石燃料に依存しており,電力の恩恵を享受する現在の社会は化石燃料の燃焼抜きには存在しません。しかしながら,その化石燃料の大気による燃焼の結果発生する窒素酸化物(NOx)などの公害物質への深刻な被害もまた現実のものであり,この公害物質の低減技術の開発には,官民挙げての不断の努力が必要です。

化石燃料の燃焼を動力源とするガスタービンに於いて,水・蒸気噴射を伴わずに燃焼時のNOx排出量を下げるドライ低NOx技術は,今日では一般的な技術として認知されたものであります。しかしながら,このドライ低NOx技術開発に於ける三菱重工業の果たした先駆者としての貢献については,さほど知られていません。

今を遡ること20年近くとなる1984年,三菱重工と東北電力(株)殿の共同研究の結果,M701Dを6基有する1,090MWのコンバインドプラントの東北電力(株)殿 東新潟発電所3号系列が運開しました。このM701D形ガスタービンには,世界に先駆けて初めてドライ低NOx技術が適用されました。当時,ガスタービンの大容量化の幕開けを前にして,直接的には高効率化への寄与,副次的には自然資源の水の大量消費を抑える環境面への配慮から,水,蒸気を噴射しないNOx排出を低減した燃焼システムへの期待が日本国内では高まってきていました。

こういったニーズを受けて,三菱重工では1980年よりドライ低NOx技術開発を始めましたが,前例のないゼロからの開発であり,パイロットノズルと燃焼安定性を制御するバイパス弁を適用した基本コンセプトに辿り着くまでには多くの試行錯誤が必要でした。この結果,これらの技術による燃焼システムで,ガスタービン出口75ppmという当時としては画期的な低NOx化に成功し,この技術は米国機会学会(ASME)など各方面から表彰を受けました。

特にバイパス弁システムは、天然ガスの低NOxのための燃空比調整に有効であったばかりでなく、製鉄所高炉ガス(BFG)など低カロリーガスの安定燃焼などにも役立ち、省エネルギーにも貢献した技術だといえます。

現在はこの燃焼システムによる天然ガス焚のNOx排出値は25ppm以下に達しており,排出濃度1桁以下に向けて不断の努力を続けています。

関連技術情報


担当窓口:原動機事業本部 サービス事業部 サービス事業戦略部

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