副代表理事就任のご挨拶 -風力発電導入促進と産業発展に貢献-
日本風力発電協会 副代表理事 高山 栄太郎
三菱重工業株式会社 風車事業ユニット長
はじめに
この度、日本風力発電協会(JWPA)の副代表理事を勤めさせていただくことになりました。
JWPAは、風力発電事業者懇話会と旧JWPAとが一緒になり去る4月に新たに発足した協会であります。
参加企業数は162社にのぼり、過去の活動状況も含め、正に日本の風力発電事業を代表する団体であり、非常に大役ではございますが、日本の風力発電発展のために微力ながら最善を尽くす所存ですので皆様の御協力を宜しくお願いいたします。
世界の風力発電産業と日本の状況
世界の風力発電産業はここ数年にわたり年率25%以上で成長しており、風車導入量は2009年末の段階で15,851万kW、ここ5年で3倍の規模に達しています。
一方、我が国においてもこの5年間で126万kWと着実に導入が進んでおりますが、欧米や中国に比べ規模は小さく普及の勢いで大きな差がついており風力発電導入量累計ではドイツの例と比べて1/10以下にとどまっています。
これは欧米・中国に比べて平坦地が少なく複雑地形が多いといった立地条件に起因する問題や台風・高乱流及び落雷などの厳しい自然条件、更には系統制約の相違など我が国固有の理由によるところが大きいと考えています。
しかしながら、風力エネルギーの賦存量から見ると我が国もまだまだ風力発電拡大の余地が随分あります。
JWPAの調査結果では、陸上風車で6,500万kW、洋上(着床/浮体)も加えると13,700万kWといった非常に大きな導入ポテンシャルを有しております。
このポテンシャルを何とか実際の風車導入に繋げたいと思います。
風力発電の導入促進
風力発電の導入を促進するためには、上述した日本固有の条件を風車事業者と風車メーカー、更には部品・素材メーカーがスクラムを組んで解決していく必要があります。
社会に受け入れられる安価な電力の供給や高性能な大型風車の開発、風車の騒音低減、蓄電池を利用した出力変動抑制などの諸課題を1つ1つ解決していかなければならないと思います。
幸いにして我が国には優れた産業技術が存在しています。高強度の軽量複合材料や主要大型機械部品、各種センサーや制御技術、蓄電池技術などはこれらの課題を解決し、風力発電の導入促進の強力な戦力になり得ると考えています。
また、風車の普及・拡大には地域社会との共存が不可欠であり、社会に風力発電の効用・必要性を発信していくことも重要な活動になると思います。
風車はCO2フリーの環境にやさしい電源であるだけでなく、脱石油依存の最有力のエネルギー源であり、かつ風力を伸ばすことがエネルギーの安全保障に繋がり、更には、産業振興と雇用確保にも貢献することも発信していきたいと思います。
風車産業の発展
風車は多くの駆動部品より構成されており自動車産業との類似性が大きいといわれております。現在、世界では約50万人が風車産業に携わっており、欧州だけでも約20万人が働いています。
欧州では、更なる雇用創出を狙い大規模な洋上風車開発計画(2020年までに英国、ドイツでそれぞれ3,000万kW超の導入計画)が発表されています。
また、米国では風車産業を「雇用を創出して米国経済の再生を狙う」国家戦略と位置付け、大規模な風車導入計画を打ち出し、2030年までに風車の製造・建設・運用で15万人の直接雇用、加えて風車の保守などの関連分野で30万人の雇用創出を謳っています。
このように世界に於いては、風車産業を次世代の基幹産業と位置付け、積極的な振興策が次々に打ち出されているのが実情であり、我が国に於いても世界に後れることなく、風車の普及拡大の動きを加速し、風車産業が少しでも活性化するよう取り組んでいきたいと思います。