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インドの国営肥料会社NFLへCO2回収技術を供与
回収能力は世界最大級の450トン/日

発行 第 5013号
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 三菱重工業は、インドの国営肥料会社(National Fertilizers Limited:NFL)に二酸化炭素(CO2)回収技術を供与する。NFLが同国マディヤ・プラデーシュ州グナ地区に所有するヴィシャイプール(Vijaipur)尿素肥料工場の尿素増産に供するもので、CO2回収能力は世界最大級の450トン/日。プラントの完成は2012年6月の予定。取扱商社は三菱商事。

 今回供与するのは、特殊な吸収液(KS-1)を用いて、天然ガスを燃料とする尿素肥料製造の工程で放出される燃焼排ガスからCO2を分離・回収、アンモニアと合成して尿素の増産をはかる技術。

 具体的には、2系統のアンモニア・尿素プラントからなるヴィシャイプール工場に、当社独自の化学プロセス(KM-CDR)を用いるCO2回収プラントを追加設置し、回収した純度99%のCO2は、同工場の尿素生産量の増産の原料として利用する。排ガスからのCO2回収率は約9割で、環境保全や省エネルギーにも大きく貢献する。
 なお、CO2回収プラントの建設は、同国のエンジニアリング会社であるTecnimont ICB社が行う。

 NFLは1974年に設立されたインドの大手肥料製造会社。

 当社のCO2回収技術は、関西電力と共同で開発したもので、他の方式に比べエネルギー消費量が大幅に少ないのが特長。また、設置や保守・点検も容易で、運用コストを低く抑えることができる。国内外向けにすでに9件のプラント受注、もしくは技術供与を行っている。今回の技術供与はこれらの実績が高く評価されたもので、インド向けは、同国の尿素肥料会社IFFCO(2工場)、NFCL両社への技術供与に続く3件目(4工場)。

  CO2回収技術は、尿素肥料/メタノールのほか、ディメチルエーテル(DME)などの化学用途、さらには、火力発電所などから発生するCO2の回収・貯留(CCS)や、生産性が落ちた油層にCO2を圧入して生産増加をはかる原油増進回収(EOR)などに利用が可能。
 このうち、CCSは地球温暖化対策の切り札の一つとして、またEORは、不安定な原油価格動向を背景に世界的な関心を集めており、今後、大きな成長が期待される市場となっている。当社は、今回のような化学的利用分野はもちろん、CCSやEORの分野に対しても積極的にアプローチしていく。

 製品ページ

 ・CO2回収装置


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