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風力発電設備の生産能力を現状の3倍に増強
年間約120万kW生産体制へ

発行 第 4570号
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三菱重工業は、風力発電設備の生産能力を現状(年間約40万kW)の3倍まで増強し、2008年度までに年間約120万kWの生産体制を構築する。米国などで続く旺盛な需要に応えるのが狙い。そのため、同年度までに総計約40億円の設備投資を行って、ナセル(風車本体※1)を手掛ける長崎造船所および横浜製作所を整備・増強、また、北米向けブレード(翼)の製造拠点であるVienTek社※2メキシコ工場でも設備を拡張して、大幅な生産拡大に対応する。

MWT92/2.4風力発電設備
 今回設備投資の中心となるのは、2,400kW風力発電設備を構成するナセルとブレードの生産ライン。

 このうち、ナセルについては、長崎造船所香焼工場(長崎市香焼町)および横浜製作所本牧工場(横浜市中区)において生産設備の増強を行う。具体的には、長崎造船所は、これまで手掛けてきた1,000kWのベストセラー機「MWT-1000A」(MWT62/1.0)の生産を横浜製作所へシフトし、2,400kW機の専用工場へ改装するとともに、現状年間約40万kWの生産能力を同60万kW超まで引き上げる。
 一方の横浜製作所では、新たに1,000kW機と2,400kW機の2機種の生産設備を導入し、こちらも年間60万kW超の生産能力を確保して、両工場で年間計120万kW超の能力を持つナセル生産体制を確立する。

 ブレードについては、北米向け拠点であるVienTek社メキシコ工場の敷地および工場建屋を拡張し、2,400kW機用ブレードの生産設備を新たに導入するなどして、生産能力を現状の3倍となる年間120万kWまで引き上げる。

 2,400kW風力発電設備は、大型風力発電機市場を対象とした戦略機種。当社独自の技術により開発し、2006年1月からの横浜製作所内での実機実証試験を経て市場投入したもので、すでに米国向けに287基を受注、数多くの引き合いが続いている。
 クラス最大のロータ径(92m)、最長の44.7m翼の採用により、低風速域での高効率な発電を実現する一方、強風を受け流す独自技術(Smart Yaw)の導入により、風速毎秒70mという猛烈な台風にも耐える設計となっている。

 拡大を続ける風力発電機市場は、今後も年率30%程度の高い成長が見込まれ、2010年には2,900万kW、2015年には5,600万kW規模にまで拡大することが予想されている。当社の主要ターゲットである米国市場においても、優遇税制措置(PTC)の延長や再生可能エネルギー用割当基準(RPS)の導入など、地球温暖化対策の促進により、引き続き旺盛な需要が継続する見通しであることから、今後も、市場ニーズに応える大型・高性能風力発電設備の開発を進めるとともに、生産能力拡大に取り組み、さらなる事業拡大を目指していく。
※1  ナセル 
  タワーの頭頂部に位置し、風車の回転軸とともに発電機・増速機・制御装置・電気設備などを格納した箱状の設備。
     
※2  VienTek 
  当社 原動機事業の米国拠点であるMPS-A(Mitsubishi Power Systems Americas, Inc.)と米国TPI Composites Inc.(TPI)の合弁会社として2002年に設立。



Tags: 再生可能エネルギー,アジア,パワードメイン
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