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第62回大河内賞「大河内記念技術賞」を受賞
「燃焼排ガスからのCO2回収装置の開発」で

発行 第 5740号
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 三菱重工業は、公益財団法人 大河内記念会が主催する第62回(平成27年度)大河内賞において、「燃焼排ガスからのCO2回収装置の開発」により「大河内記念技術賞」を受賞しました。世界に先駆けた技術開発により達成した高い装置信頼性と経済性、それに裏付けられた豊富な商用機納入実績、さらにはCO2回収・貯留(CCS)による地球温暖化防止やCO2による原油増進回収(EOR)に向けた有効性などが高く評価されたことによるものです。

第62回大河内賞「大河内記念技術賞」を受賞<br/>「燃焼排ガスからのCO2回収装置の開発」で
 当社のCO2回収技術は、関西電力株式会社と共同で開発した高性能な吸収液(KS-1TM)を用いる化学吸収法で、エネルギー消費量が従来法と比較し、大幅に少ないのが特長です。20年以上にわたって省エネ性の向上、吸収液消費量の削減、装置の小型化などに取り組んできました。1999年から、天然ガス焚きや重油焚きなどで発生する排ガスからのCO2回収商用装置を、世界各地で11基稼働させており、CO2回収装置の商用実績では圧倒的な世界トップシェアを誇っています。

 また、CCS分野では、米国の大手電力会社サザンカンパニーと共同で2011年からアラバマ州の石炭火力発電所で、回収能力500トン/日のCO2回収装置によるCCS実証試験に取り組み、不純物が多い石炭焚き排ガスからのCO2回収技術実証として大きな成果をあげて2014年初めに当初計画分の試験を完了しました。同年7月には米国NRGエナジー社(NRG Energy Inc.:NRG)とJXグループのJX 石油開発株式会社が中心となってテキサス州で推進するEORプロジェクト向けに、石炭火力発電所の排ガスから4,776トン/日の回収能力を持つ世界最大のCO2回収プラントを受注するなど、商用化が着実に進んでいます。

 大河内賞は、大河内正敏氏(工学博士)の功績を称え、その遺志である生産工学の振興を目的に創設された、生産工学・生産技術分野の優れた業績を顕彰する制度で、1954年(昭和29年)から毎年表彰が行われています。大河内記念技術賞は、個人またはグループを対象として「生産工学および生産技術上優れた独創的研究成果をあげ、学術の進歩と産業の発展に貢献した顕著な業績」に贈られるもので、当社の受賞者は飯嶋正樹 化学プラント・社会インフラ事業部技師長(執行役員フェロー)ら4名です。

 当社は今回の受賞を励みとして、CO2回収技術のさらなる高度化に力を注ぎ、地球温暖化問題の解決に貢献していきます。

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三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

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