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日本初の総合交通システム検証施設「MIHARA試験センター(MTC)」が完成
鉄道輸出戦略担い利用門戸を社外にも開放

発行 第 5579号
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 三菱重工業が、三原製作所 和田沖工場(広島県三原市)内に建設していた日本初の総合交通システム検証施設「MIHARA試験センター(MTC)」が完成し、2日、運用が始まりました。都市交通インフラ輸出の振興に向けて、約3.2kmの鉄道軌道用周回コースなどを備えたグローバル仕様の検証施設として、当社だけでなく、他の企業や官民団体にも広く利用の門戸を開き運営していきます。

MIHARA試験センター竣工式 テープカット
 現地では同日、これを記念して竣工式が開催されました。式典には、湯﨑英彦広島県知事、天満祥典三原市長をはじめ関係省庁、機関・団体、大学、鉄道事業会社などから多数が列席。当社からは大宮英明会長が出席しました。
 式典終了後には、広島電鉄株式会社の厚意により、同社向けに製造した超低床車両に式典出席者約130人が乗車し、鉄道用周回コースを試走しました。試走には地元小学校の児童約30人も参加しました。

 MTCには、今回運用を開始した鉄道軌道用試験線をはじめ、新交通システム(AGT)や磁気浮上システム(HSST)用の3線が設置されています。鉄道用試験線は、高架部も備え、レールに欧州規格を採用したほか、カーブ半径や勾配などをグローバル仕様とし、グローバルスタンダードの標準軌(1,435mm)と国内の在来線で多くみられる狭軌(1,067mm)の3線軌条です。枕木は1m幅のメーターゲージも対応可能な構造としました。最高時速100kmでの車両性能、カーブでの騒音・振動、さらには信号、通信、電力、運行管理などについての各種試験を総合的に行うことができます。

 世界の鉄道システム市場は活況を呈している半面、新興国の台頭などにより競争が激化しています。加えて、最近では高機能な信号・運行管理や都市部の複雑な路線配置などへの対応が求められ、それらのニーズを満たす高いインテグレーション能力が受注のカギを握る傾向にあります。MTCはこうした市場動向を踏まえて建設した施設です。日本のインフラ輸出戦略の柱の一つである鉄道システムの競争力向上に向け、国際規格への対応や製品開発の支援ツールとして活用するとともに、“日本モデル”として評価の高い保守・運用を含めたソフト面の一層の充実にも役立てます。

 当社は、開かれたMTCの運営を通じて、交通システムのインテグレーターたる当社のグローバル競争力向上をはかるとともに、今後もこの分野のリーディング・カンパニーとしての役割を担い、日本の優れた鉄道システムの国際市場浸透に力を注いでいきます。

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長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

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