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舶用排熱回収システム(MERS)を搭載した初の鉱石運搬船が就航
海上試験で約8%の燃費削減を達成

発行 第 5532号
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 三菱重工グループの三菱重工舶用機械エンジン株式会社(社長:相馬和夫、本社:長崎市)は、舶用エンジンの排ガスを最大限に回収・利用して発電効率を高める同社独自の舶用排熱回収システム(MERS:Mitsubishi Energy Recovery System)を初めて鉱石運搬船に搭載し、このほど、海上試験において従来船と比較して大幅な燃費削減を達成しました。電力消費量の多いコンテナ船のような大型船に搭載した際の燃費削減や環境負荷低減はすでに実証されていましたが、それ以外の船舶で実証されたのは今回が初めてです。

舶用排熱回収システム(MERS)を搭載した初の鉱石運搬船が就航<br />海上試験で約8%の燃費削減を達成
 今回の舶用排熱回収システムは、株式会社名村造船所が建造した株式会社商船三井の鉱石運搬船に搭載されたものです。MERSは、排ガスタービン※1と蒸気タービンを組み合わせ、それらを最適制御することで、広い運転域からの排熱を回収して燃費効率を高めるシステムです。今回、これにシャフトモーター※2を追設、余剰電力を同モーターを通して主機関に還元することで、排ガスエネルギーをさらに余すことなく回収可能として、約8%の燃費削減を達成しました。

 MERSは2010年の開発以来、電力消費量が多い冷凍・冷蔵コンテナ船などを中心に受注を伸ばしてきましたが、今回の海上試験により、船内電力が小さな船種でも排熱を無駄なく回収・利用できることが証明されました。これにより、三菱重工舶用機械エンジンは今後、さらに多様な船舶の要望に応えていきます。

 三菱重工舶用機械エンジンは、2ストローク低速エンジン、MET過給機、プロペラ、舶用ボイラー/タービン、デッキクレーン、甲板機械、フィンスタビライザー、舵取機など、世界でも類を見ないほどの幅広い舶用機械・エンジンのラインナップを有して、高い信頼性と性能を両立した製品を提供しています。

 三菱重工舶用機械エンジンは今後も、船舶のエネルギー効率を高める多様かつ独創的な省エネ・新環境ソリューションを提案し、船舶の効率化と地球環境保全に貢献していきます。

※1 排ガスタービン = エンジンからの排ガスにより駆動するタービン
※2 シャフトモーター = エンジンとプロペラを結ぶシャフトの回転を補助するモーター

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三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

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