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2012年 大宮社長 年頭挨拶(要旨)

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昨年は、3月の東日本大震災により甚大な被害を受けたインフラ関係のお客様の早期復旧や被災地支援に当社グループの総力を挙げて取り組み、改めて私たちが担っている使命の大きさを強く認識した。

また4月には、長く懸案であった全社の事業運営体制の変革に踏み切った。この体制変革・強化と諸々の改善施策により、平成23年度上期の業績は、受注、利益で前年同期を上回ることができたが、当社グループを取り巻く事業環境は予断を許さない状況が続いている。国内は、デフレからの脱却が進まず、海外も、欧州の財政・金融危機に、歴史的な円高や、中国・韓国企業の台頭などが加わり、新興国市場での競争に拍車がかかっている。

そのため当社は、策定に着手した2012事業計画において、これまでの2010事業計画を継承しながらも、円高、震災などの大幅な環境変化に伴う修正を追加施策として織り込む方針。それにより、成長プロセスへの梃入れをはかり、グローバル市場で発展する「ものづくり系複合企業」を実現して、海外の競合メーカーに伍していける事業規模や収益力、健全な財務基盤を築いていく。そのような飛躍に向け、本年は以下3点をお願いする。

1. 全社事業運営体制強化による製品事業の競争力強化と全社の総合力の発揮
先の組織改革では、社内組織を事業本部とコーポレート部門の二つに構成し直した。事業本部においては、製品事業の戦略策定からアフターサービスに至るまでの一連の機能を集約し、事業の一貫運営が可能な体制とした。また、コーポレート部門は職能別に再編し、全社一体の運営を指向する体制とした。この結果、全社戦略の強化、全社横断的な連携促進、業務プロセスの効率化・高度化など、総合力発揮のための施策が進み、グローバル競争力の強化がはかれるようになってきた。
また、この1月にはエンジニアリング本部を立ち上げた。それにより、複数の事業本部に共通するEPC(設計・調達・建設)遂行能力を強化するとともに、スマートコミュニティに代表されるソリューションビジネスなどの開発を行っていく。
縦軸としての個別事業の強化と、横串機能の強化を通じたグループ全体の「総合力」が相まって強い企業が実現する。そのことを踏まえ、日々の改善を進めていってほしい。

2. グローバル事業展開の加速
今後、持続的に成長していくためには、グローバルな事業展開は避けて通れない。しかし、グローバルな事業環境の変化は激しく、円高下、市場競争はますます熾烈なものとなっている。このような外部環境を克服するためには、市場ニーズに対応した次世代製品の開発はもちろん、上流・下流を取り込んだビジネスモデルの構築や、生産・調達の現地化、外部パートナーとの連携など、多面的な施策を全社一体となって効率的に進めることが求められる。そのため、当社は昨年4月に「グローバル戦略本部」を立ち上げ、同12月にはグローバル人事グループを新設して人事面でのサポートを強化している。グローバル市場で勝ち抜く真のグローバルプレイヤーとなることを目指し、全員で挑戦していきたい。

3. お客様と社会からの信頼の確立
昨年は航空機用部品の製造工程で品質問題が発生し、当社への信頼が損なわれることとなった。また、当社情報ネットワークのウィルス被害についても大きく報道された。もし重要な情報が流出すれば、結局、社会からの信頼を喪失することとなる。社員一人ひとりが社会的な立場を強く意識し、自らを厳しく律して、職場一丸となって信頼確立に努めていかなければならない。当社経営の礎には、事業を通じ国家・社会に貢献するのだという熱い「思い」がある。この思いに導かれ成長してきたのが当社の歴史だ。この思いを共有し、総力を挙げて新しい三菱重工グループを築いていこうではないか。


Tags: 経営,アジア,コーポレート
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