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Press Information

2011年7月7日 発行 第 5091号

小型精密加工機「μV1」で難削ウェーハ材の精密切削加工に成功
SiCやサファイアなど4種、フォトマスク作成不要で生産時間短縮とコスト低減

 三菱重工業は、小型精密加工機「μV1(マイクロヴイワン)」を使い、炭化ケイ素(SiC)やサファイアなど非常に硬い難削ウェーハ材4種の精密加工に成功した。ウェーハ上に1μm(0.001mm)レベルの精度で溝や格子を切削のみで形成できることから、複数工程を伴うフォトリソグラフィー※1やエッチングに比べて、大幅な生産時間短縮とコスト低減が可能となる。半導体材料の試作加工やサンプル生産に適した装置および技術として普及をはかる。

【小型精密加工機「μV1(マイクロヴイワン)」】
【小型精密加工機「μV1(マイクロヴイワン)」】

 SiCとサファイアのほかに今回切削に成功したウェーハ材は、グラッシーカーボンと石英ガラス。ダイヤモンドの硬さを15とする新モース硬度では、SiCが13と地球上で3番目に硬く、サファイアが12で4番目に硬い。グラッシーカーボンは10~11、石英ガラスが7となっている。
 加工にはダイヤモンド工具を使用し、機械本体には微細切り屑回収用特殊フィルターを搭載し、切削油に混じった硬い切り屑が障害とならないようにした。また、高解像度CCD(電荷結合素子)カメラにより、回転中の工具先端位置が正確に測定可能な独自開発の「撮像式工具測定システム」を利用することで工具先端の挙動をリアルタイムで追跡し、工具回転精度や機械自身の発熱に伴う変位の問題などを解消することで、1μmレベルの切り込み量に対しても確実に追従し精密な加工を実現した。

 μV1は高精度金型や電極、精密部品などの加工用として、2006年に3軸機を製品化。2008年にはテーブル上に傾斜軸と回転軸を加えた5軸機もラインアップに追加し、非鉄材の切削加工や小型の各種治具生産などに、用途を拡大してきている。
 半導体の形状加工にフォトリソグラフィーやエッチングを採用した場合、試作・サンプル生産段階では生産量が少なく形状変更も多いため、変更のたびに複数のフォトマスクを作成する必要がありコストがかさむ。加えて、厚みのある形状加工には時間がかかり、自由形状加工には限度がある。今回のμV1による切削加工はこうした課題を克服する新技術として、マイクロ流路デバイスやバイオチップ※2への適用も視野に入れている。このような新分野での活用を促進するため、装置の導入検討から運用まで、当社の持つ人材や加工ノウハウを活用して、ユーザーを密着サポートする。

 μV1による4種類の難削ウェーハ加工サンプルおよび加工作業の映像は、7月13~15日に東京ビッグサイトで開催される「第22回マイクロマシン/MEMS展」で展示・公開する。同展示会を通じて当社は、μV1の新しい適用分野について提案し、さらなる装置拡販に弾みをつけていく。

※1 フォトリソグラフィーは、感光性物質(レジスト)を塗布した物質の表面に、フォトマスクを使うパターン状露光(露光部分と非露光部分で
   レジストが固まって残る部分と溶解する部分に分かれる)でパターン形成する技術。
   プロセスは①前処理→②リソグラフィー→③エッチング→④レジストはく離→⑤洗浄、となっている。
※2 マイクロ流路デバイスは、基板にμmレベルの溝が刻まれたもの。溝に微量の試料を流すことで測定や分析などに使われる。
   バイオチップは、DNAやタンパク質などの生体分子や細胞がプローブ(探り針の役目を果たすもの)として基板に高密度で固定
   されているもの。
   プローブと作用する物質の解析・検出などに用いられる。いずれも適用分野は、医療・製薬、生化学から食品その他まで幅広い。

 

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以  上

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