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世界最高効率のJ形ガスタービン
実証運転で世界最高のタービン入口温度1,600℃を達成

発行 第 5075号
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 三菱重工業の最新鋭 J形ガスタービンが、世界最高のタービン入口温度1,600℃を達成した。高砂製作所(兵庫県高砂市)内の実証設備複合サイクル発電所で2月初旬から行われていた実証運転で達成したもので、これにより、J形ガスタ-ビン検証の最終確認を完了した。同機種は関西電力株式会社 姫路第二発電所向けに6基を納入する予定。

【三菱重工 J形ガスタービン】
 今回の機種は2009年春、当社独自技術により開発した60HzのM501 J形ガスタービン。ガスタービンの効率はタービン入口温度が高いほど向上するが、同機種は、これまで最高を誇ったG形ガスタービンの入口温度1500℃をさらに高めた1,600℃で、これにより、ガスタービン定格単機出力約32万kWを実現。また、排熱回収ボイラーおよび蒸気タービンを組み合せたガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電では出力約46万kWとなり、発電端熱効率は世界最高水準の60%以上(低位発熱量)※を達成する。

 環境負荷の低減に大きく貢献するのも特長。ガスタービンにより発電を行い、その排熱を利用して蒸気タービンでも発電するGTCC発電は、発電効率が大幅に向上するために、CO2排出量を大幅に低減することが可能だが、これにJ形ガスタービンを用いると、従来型石炭焚き火力発電と比べCO2排出量を約50%低減することができる。一方、通常、燃焼温度が高まるにつれて増加する窒素酸化物(NOx)の発生は従来機と同レベルに抑制できる。

 当社はガスタービンの開発設計から製造、実証までを一貫して高砂製作所内で手掛けている。実証設備複合サイクル発電所はその敷地内にあって、これまでも大型ガスタービンとその要素技術の実証を行うなど、新型ガスタービンの商用化や更なる高温・高効率化技術の開発と検証・実証に大きな役割を果たしてきた。

 当社は、今回のM501 J形ガスタービンに続き、50HzのM701 J形ガスタービンも2014年に出荷する予定。

 当社のガスタービンは国内外に多数納入され、技術・実績両面で広く市場の信用を獲得しているが、今回の実証完了により、“高砂から世界に発信する”新世代ガスタービンとしてJ形ガスタービンの商談を加速していく。
 また、この実証結果を更なる高温・高効率化技術の開発に繋げていく計画で、低炭素社会の実現に向け、もう一つ先の高効率ガスタービンの開発も引き続き推し進めていく。

※ 定格単機出力、CC出力、発電端熱効率のいずれも、60Hz機、ISOベース。

 

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