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ベトナムの舶用ディーゼルエンジン生産工場でUE機関の初号機が完成
技術供与先のベトナム造船産業公社(ビナシン)が順次増産へ

発行 第 4908号
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 三菱重工業が、舶用低速ディーゼルエンジン「三菱UE機関」の技術を供与しているベトナム造船産業公社(VINASHIN=ビナシン:Vietnam Shipbuilding Industry Corporation)がこのほど、同社傘下のバクダンディーゼル工場(Bach Dang Diesel Engine Manufacturing Co., Ltd.)にて初号機を完成させ、披露式典を行った。同工場では今年、さらに3台のUE機関を完成させる予定で、年産20万馬力まで生産可能な設備能力を活かし、順次増産対応していく。

 完成したUE機関初号機は、シリンダ径450mmの「7UEC45LA」で、出力は6,230kW(8,400馬力 、158回転/分)。ビナシン傘下の造船所Bach Dang造船でベトナム船主(SHINPETROL=ビナシン投資石油運輸)向けに建造されている、2万2,500DWT(載貨重量トン)ばら積船に主機関として搭載される。

 同機は、ベトナム国内で完成した初の舶用低速ディーゼルエンジン。造船業および周辺機器産業の振興に力を入れるベトナム政府にとっても、国産エンジンの完成は、ベトナム内外に同国の技術をアピールできる点で意義が大きい。ビナシンは引き続き、当社の技術供与を受け、シリンダ径330~850mmに及ぶ幅広い出力の舶用低速ディーゼルエンジン、三菱UEC-LA、LS、LSⅡ、LSE機関の製造、販売・サービスを手掛けていく。

 ビナシンは1996年に設立された造船・舶用機械生産の国営公社。傘下に独立採算制で運営される主要造船所等約50社を持つ。当社とのライセンス契約は、2005年に締結した。

 当社はアジアではビナシンのほかに、 中国の青岛齐耀瓦锡兰菱重麟山船用柴油机有限公司 (Qingdao Qiyao Wärtsilä MHI Linshan Marine Diesel Company Ltd.:略称QMD)、 CSIC(中国船舶重工業集団公司)グループの宜昌船舶柴油机有限公司(Yichang Marine Diesel Engine Plant:YMD、湖北省宜昌市)、浙江省寧波市の浙江洋普重机有限公司(Zhejiang Yungpu Heavy Machinery Co., Ltd.:YUNGPU)にもUE機関のライセンスを供与している。

 ベトナムは、1986年の市場経済制(ドイモイ)導入以降、アジア通貨危機の一時期を除き、順調に経済が発展。2000年以降は6~8%の成長を持続、海外からの直接投資も2008年は前年比214.9%増(総受入額640億1,190万ドル)となるなど、高い水準を記録している。こうした状況下で、同国の造船業は中長期的には継続的な成長が期待されることから、当社はビナシンとの関係を一層強化しつつ、UE機関のシェア拡大を目指していく。

Tags: 船舶・海洋,アジア,I&Iドメイン
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