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高炉ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備を連続受注
中国・首鋼遷安鋼鉄向けと韓国POSCO Power向け

発行 第 4714号
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 三菱重工業は、中国と韓国から、製鉄高炉ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備を相次ぎ受注した。中国の鉄鋼大手、首都鋼鉄グループの遷安鋼鉄所(遷安市)向けが出力15万kWで、2009年5月に機器を納入、韓国最大のIPP(独立発電事業者)POSCO Powerが建設するPOSCO光陽製鉄所(光陽市)向けは2系列28万4,000kWで、2009年と2010年に機器を納入する予定。韓国向けの、製鉄プロセスで発生する低カロリーガスを燃料とするGTCC発電設備の受注は、2005年のPOSCO浦項製鉄所(浦項市)向けに次いで2件目、中国向けは累計16台目の受注となる。取扱商社はいずれも三菱商事。

 首都鋼鉄グループ傘下にある首鋼遷安鋼鉄有限公司の遷安鋼鉄所は、首都・北京の東方約150km(河北省)に立地する。今回の高炉ガス焚きGTCC設備で、高炉から副生物として排出されるガスを活用して、製鉄所内で必要な電力の一部を賄う。設備はM701S(DA)型ガスタービン、蒸気タービン、発電機などで構成。このうち当社はガスタービン、蒸気タービンの設計・製作を担当し、発電機は三菱電機が供給する。

 首都鋼鉄はこれまで北京を本拠地に操業してきたが、8月開催の北京五輪に向けた環境対策などから老朽高炉を閉鎖。河北省で最新の環境対策を講じた大型高炉の建設を進めている。高炉ガス焚きGTCCの導入もエネルギーの有効利用による環境対策の一環。

 一方、韓国最大の製鉄会社POSCOの発電事業会社であるPOSCO Power(ソウル市)は、韓国南端の中央部に立地するPOSCO光陽製鉄所への高炉ガス焚きGTCCの導入で、POSCOグループにおけるエネルギーの有効利用と環境負荷の低減に役立てる。設備はM501S(DA)型ガスタービン、蒸気タービン、発電機などで構成される。1系列の出力は14万2,000kW。発注元はPOSCOグループの建設会社とエンジニアリング会社が1994年に合併して設立された、韓国有数のゼネコンであるPOSCO Engineering & Construction Co ., Ltd(浦項市)で、同社がEPC(設計・調達・建設)契約を取りまとめる。中国案件と同様に、当社がガスタービンと蒸気タービンを設計・製作し、三菱電機が発電機を担当する。

 高炉ガスは天然ガスに比べて熱量が低く、ガスタービンの安定運転には、高度な燃焼技術が求められる。当社は専用燃焼器の開発などにより、1980年代に独自の高炉ガス焚きGTCC発電技術を確立。世界シェアは7割超に達する。
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