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三菱重工ニュース
2006年4月17日 発行 第 4458 号

世界初、常温でウェーハを接合する量産装置を開発・販売
次世代デバイスの高効率・低コスト生産を実現
 三菱重工業は、集積回路の基板となるウェーハ※1の接合速度を飛躍的に高め、MEMS※2をはじめとする次世代デバイス※3の高効率・低コスト生産を可能にした常温ウェーハ接合装置を開発、販売する。常温でウェーハの接合を行う本格的な量産対応機はこの装置が世界で初めて。当社は、自動車、携帯電話、家電、バイオなどの幅広い分野に需要を見込み、積極的な拡販をはかっていく。


量産用常温ウェーハ接合装 MWB-06A
量産用常温ウェーハ接合装置
MWB-06A
 常温ウェーハ接合装置は、従来、加熱して接合していたシリコンなどの原子同士を室温で接合することで、ひずみのない、信頼性の高い強固な結合をつくり出すことができるのが大きな特徴。加熱とそれに伴う冷却の時間が不要なことに加え、接合ウェーハの位置合わせ(アライメント)をはじめとする装置の全自動化を図ったことにより、大幅な工程の短縮とデバイス製造コストの低減を実現した。これにより、これまでの加熱式量産対応機が3~4時間かかっていたウェーハの接合処理スピードを20分以内と、10倍以上の高速化を達成した。

 今回の装置は、最大25セットのウェーハ(計50枚)を順次自動的に接合することが可能でありながら、25セットのウェーハそれぞれに接合条件を個々に設定できるレシピ管理機能を持ち、多品種少量のMEMS生産にも効率的に対応する。ウェーハサイズ4インチと6インチに対応。

 接合に用いる材料の表面は酸化物や汚れで覆われているが、アルゴンなどの原子ビームを真空中で照射し、表面の不純物を除去、清浄化すると、活性化された材料表面の原子それぞれに“結合の手”が現れる。常温接合は、この結合の手が現れた材料に、活性化して結合の手が出たもう一つの材料を押し当て、双方の手を結び合わせて一つの物質のようにするもので、シリコン、シリコン酸化膜、金属、一部セラミックスなど接合材料の選択肢が広く、デバイスの設計自由度を大きく広げることができるのも特徴のひとつ。

 常温接合技術は、以前から東京大学や独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)で研究が積極的に進められていた。今回当社は、産総研と共同研究を行い、同研究所の持つ常温接合プロセスのノウハウを活かした装置を開発した。

 当社は、この装置の投入を機に、ウェーハ接合分野へ本格参入するとともに、産総研の協力を得て、接合プロセスやデバイス製造分野で新たな開発を進めていく。

 なお、当社は、4月19日(水)から21日(金)まで東京都江東区有明の東京ビッグサイトで開催される第16回「ファインテック・ジャパン」で、量産対応機のパネルや接合サンプルの展示を行う。


※1

 ウェーハ= 半導体の単結晶を薄い板状に切断したもの。
 
※2 MEMS= Micro Electro Mechanical Systemsの略。機械要素部品、センサー、アクチュエーター、電子回路を一つのシリコン基板上に集積化したデバイスのこと。 自動車のエアバッグ用加速度センサーやプリンターのインクジェットヘッドなどがMEMSの代表例。
 
※3  デバイス= 電子回路を構成する機能素子。トランジスター・ IC ・ LSI など。



担当窓口:工作機械事業部

以  上