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三菱重工ニュース
2006年1月25日 発行 第 4426 号

国内最大の2,400kW大型風車を開発し、実証試験を開始
急拡大する大型機市場向け戦略機種
 三菱重工業は、国内最高出力となる定格出力2,400kWの大型風力発電システム「MWT92/2.4※1」を開発、当社横浜製作所金沢工場(横浜市金沢区)に設置し、実証試験を開始した。実機運転を通した性能と信頼性の確認により、国際型式認証(GL※2)も取得し、早期の市場投入を目指す。


MWT92/2.4風力発電設備
MWT92/2.4風力発電設備
 「MWT92/2.4」の大きさは、ロータ直径92m、タワー(ハブ)高さ70m、地面から翼の先端までの高さ116mと国内最大。クラス最長の44.7m翼を採用し、より多くの風を捕らえることで、低風速域(風速毎秒8.5m付近)でのより高効率な発電性能を実現した。その一方で、強風下における運転停止時にもナセル※3の風向による制御を行い、強風を受け流す当社の独自技術「Smart Yaw」の採用などにより、風速毎秒70mという猛烈な台風にも耐える設計となっている。

 この「MWT92/2.4」では、“翼の独立ピッチ制御※4”という新技術が採用され、風車にかかる風の力を低減し、耐久性を高めたほか、既存機種の「MWT-1000A」の翼で採用されたレセプター※5を翼の長大化に伴い増強した“マルチレセプター※5”を装備、落雷時の安全性も高めている。

 今回金沢工場に設置された「MWT92/2.4」風車では、年間約600万kWh、約1,200世帯分に相当する発電を目指しており、これにより石油換算で年間1,400キロリットル(ドラム缶約7,200本)相当の節約、CO2排出量にして約4,200トン相当の削減が可能となる。

 風力発電は、地球温暖化防止を担う再生可能エネルギーの主役として世界的に導入拡大が続いているが、長大な翼や大型機器の輸送、建設工事に必要な大型クレーンなどの搬入経路の制約から、陸上用風車※6は、3,000 kW級を上限とする低風速地域向けの高性能大型機種が主流となりつつある。今回開発した「MWT92/2.4」風車は、それら制約条件にも対応するための3分割ナセルの採用などで、急速に膨らむこの市場での積極的な受注を狙う。

 当社は1980年に初号機を納入して以来、国内最大の大型風力発電設備の総合メーカーとして開発・製作・供給に取り組み、その受注台数は、2005年末現在で累計2,300台(総出力151万5,770kW)に達する。この間、台風、落雷、風向・風速の変動といった日本の特徴的な気象条件を経験し、それが「MWT92/2.4」に搭載されたSmart Yawやマルチレセプターなどに活かされている。
 当社は今後の実証運転により、「MWT92/2.4」風車の商品力向上を目指すのはもちろん、洋上風力発電も視野に、さらに大型で高性能かつ経済的な風車開発に取り組んでいく。

※1

MWT92/2.4
  MWTはMitsubishi Wind Turbine の略。92はロータ直径、2.4は定格出力(2.4MW)を示す。
※2GL
  Germanischer Lloyd ドイツの国際的な型式認定機関。
※3ナセル
  タワーの頭頂部に位置し、風車の回転軸とともに発電機・増速機・制御装置・電気設備などを格納した箱状の設備。
※4翼の独立ピッチ制御
  1回転ごとに3本の翼のピッチ(角度)を独立に制御・変化させることで、風の強さが異なる風車の上部と下部に加わる荷重を低減させる。
※5

レセプター/マルチレセプター

  レセプターは翼の先端などに設置された金属製の受雷部と、受けた電流を安全に流す導電部で構成され、避雷針の役割を果たすもの。マルチレセプターは翼の長大化に伴う翼面積の拡大に合わせて、より確実に雷が受けられるよう、レセプターを複数個設置したもの。
※6大規模な輸送と建設工事の制約が多い陸上用とは別に、制約が少なく一層の大型化が期待できる洋上用の風車(4,000~5,000kW級)も関心を集めつつあるが、このクラスは現在、数台の試験機が建設されているにすぎない。



営業窓口:原動機事業本部
製作事業所:長崎造船所

以  上