ページの先頭です。 ページの本文へ メインメニューへ フッタへ
ページの本文です。

三菱重工ニュース
2005年6月27日 発行 第 4364 号

灯油を燃料とする10kW級業務用固体高分子形燃料電池
フィールド実証試験を開始
 三菱重工業(社長:佃 和夫)と新日本石油(社長:渡 文明)は共同で、灯油を燃料とする10kW級業務用固体高分子形燃料電池(PEFC)を広島市西区の広島ダイヤモンドホテルに設置し、フィールド実証試験を開始した。2003年に実施した新日本石油精製(株)横浜製油所での実証試験、2004年の都内コンビニエンスストアでのフィールド実証試験に続くもので、両社は2006年度内の商品化を目指す。


広島ダイヤモンドホテル設置の10kW級業務用固体高分子形燃料電池(PEFC)
広島ダイヤモンドホテル設置の
10kW級業務用固体高分子形燃料電池(PEFC)
 今回の試験機は、(財)新エネルギー財団の「平成15年度定置用燃料電池実証研究」の一環として、都内のコンビニエンスストアで1年間フィールド実証試験を実施したものの改良型。主要部材には商用化に耐える低コスト品を採用しているのが特徴で、総合効率は社内試験においてすでに目標(76%以上)を上回る83%以上を達成している。

 ホテルは24時間電力需要があるほか、給湯需要も見込まれることから、電気と熱を併給できる業務用燃料電池の有望なターゲットとして見込まれている。これまで固体高分子形燃料電池をホテルに設置した例はなく、今回が国内初となる。両社は広島ダイヤモンドホテルでのフィールド実証試験を通して各種運転データを取得し、経済性、耐久性などの性能向上をはかりつつ商用化に向けた最終段階の検証を着実に進めていく。

 固体高分子形燃料電池は、天然ガス、メタノール、灯油などから得られる水素を燃料として、常温から100℃で運転を行い、30~40%の高い発電効率が期待できるシステム。電解質が固体で、運転・保守管理が容易なほか、小型・軽量であり、負荷変動が大きい用途にも適用可能という特徴を持っている。

 各種燃料のうち、灯油はエネルギー密度が高く、また安価に入手できることから、灯油仕様燃料電池はランニングコストパフォーマンスに優れ、高い経済メリットが期待できる。その一方で、都市ガスなどに比べ炭素数が多く、水素製造が難しいため、灯油仕様燃料電池の開発には困難が伴うとされてきた。しかし、三菱重工の優れたシステム化技術と新日本石油の高度な改質・触媒技術を融合、実用化に向け大きく前進しつつある。両社は今回のフィールド実証試験を通してさらに着実に歩を進め、2006年度以降、小売店・飲食店などの中小規模商業施設を主要ターゲットとして市場投入を目指していく。

〔本機の概要〕
1. 基本仕様
燃料電池種類 固体高分子形(PEFC)
燃 料 灯油
発電効率(目標) 36%以上(LHV基準)
総合効率(目標) 76%以上(LHV基準)
システム構造 パッケージ型(屋外仕様)
幅1,900mm×奥行き690mm×高さ1,880mm
LHV基準: Lower Heating Valueの略称。低位発熱量。燃料の持つ発熱量から、燃料の燃焼によって生じる水蒸気の凝縮潜熱を差し引いた発熱量のこと。

2. 運転特性
全自動起動/全自動運転可能
遠隔監視による全自動停止機能

3. 燃料処理装置仕様
脱硫方式    吸着脱硫(カートリッジ式)
改質方式    水蒸気改質



担当窓口:汎用機・特車事業本部

以  上