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三菱重工ニュース
2005年4月18日 発行 第 4344 号

世界初 常温での「ウェーハ接合装置」を開発・発売
次世代マイクロデバイスの高効率・低コスト生産に貢献
 三菱重工業は、次世代の高品質デバイス※1を効率的に生産する「ウェーハ※2接合装置」を開発、市場に投入する。ウェーハ上に形成されたMEMS(Micro Electro Mechanical Systemsの略)※3構造体のままのパッケージング(封止)や、貫通配線が形成されたウェーハ同士を常温で接合できるため、熱歪みのない高集積化デバイスの製造に威力を発揮、飛躍的なコストの削減と工程の短縮に貢献する。さらに、加熱・冷却の時間が不要なため、高生産性も実現できるという特徴をもつ。常温でのウェーハ接合を産業レベルで実現したのはこの装置が世界で初めて。


ウェーハ接合装置(外観写真)
ウェーハ接合装置(外観写真)
 対象となるのは4インチおよび6インチウェーハ。シリコンのほか、シリコン酸化膜、金属、一部セラミックスなど接合対象となる材料の選択肢が多いのも特徴で、当社は次世代デバイス製造の基幹技術として、自動車、携帯機器、家電、バイオなどの分野に幅広い需要を見込んでいる。

 常温接合は、接着剤の使用はもちろん、加熱もせずに、シリコンなどの原子同士を室温で接合させる技術であり、歪みのない、信頼性の高い強固な結合をつくり出すことができるのが特徴。通常、これらの材料の表面は酸化物や汚れで覆われている。しかし、真空中でアルゴンなどの原子ビームを照射し、表面の不純物を除去すると、清浄化され活性化された材料表面の原子それぞれに“結合の手”が現れる。この結合の手が現れた材料の表面に、同じように活性化して結合の手が出たもう一つの材料を押し当てると、双方の手が結び合って一つの物質のように強く結合する。その接合の強さは母材並みといわれる。

 今回開発したウェーハ接合装置はこの原理を応用したもので、優れた特徴は“ウェーハレベル・パッケージング”を実現したこと。通常、MEMSの製造は、ウェーハ上に形成されたMEMSを切断、個片化して後、個々のデバイス一つひとつに封止を行っており、製造コストの多くはパッケージング工程が占める。しかし、今回の新装置は、ウェーハの状態でまるごとの封止を実現、真空封止した後に切断、個片化を行うことにより、大幅なコストの削減と工程の短縮を実現した。

 新装置は、これまで微細化により2次元平面に詰め込んできた回路を、ウェーハ接合を用いて3次元化する高集積デバイスの製造でも大きな能力を発揮する。
 当社は、今回の開発を機に、ウェーハ接合分野へ本格参入する。対象ウェーハサイズを4インチおよび6インチから順次12インチまで拡大しながら、MEMS真空封止分野や、電子回路と一体化した高集積化MEMS分野はもちろん、システムLSI(DRAM)分野、光デバイス分野などに果敢にアプローチしていく。また、常温接合技術を「新たなものづくり」の手段と捉え、本技術を応用して製造したデバイスを当社の広範な諸製品・技術へ応用していく。

 当社は、4月20日(水)から22日(金)まで東京都江東区有明の東京ビッグサイトで開催される第15回フラットパネル ディスプレイ研究開発・製造技術展「ファインテック・ジャパン」で、常温接合の紹介とウェーハ接合装置の積極的なPR活動を行う。

※1 デバイス= 電子回路を構成する基本的な素子。トランジスタ・ IC ・ LSI など。
※2 ウェーハ= 半導体の単結晶を薄い板状に切断したもの。集積回路の基板となる。
※3 MEMS= Micro Electro Mechanical Systemsの略。IC製造プロセスを基盤とした微細加工(マイクロマシニング)技術によるマイクロサイズのセンサ、アクチュエータ、制御回路などを集積化した微細システムのこと。 自動車のエアバッグ用加速度センサやプリンタのインクジェットヘッドなどがMEMSの代表例。



担当窓口:工作機械事業部

以  上