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三菱重工ニュース
2004年12月9日 発行 第 4298 号

世界最大の型締力3000トン電動射出成形機「3000em」
世界最速のバンパー生産サイクルとバリレス成形を実現
 三菱重工業は、電動射出成形機で世界最大となる型締力3000トンの省スペース型超大型機「3000em」を開発、9日から市場投入する。バンパーなど自動車用大物部品の成形に威力を発揮する最新鋭の次世代型マシンで、独自開発の新型センタープレス型盤※1と電動型内圧波形制御※2によりバリの出にくい成形を実現、生産の大幅な効率化とコスト削減に貢献する。スペース的にも同クラス比で世界最小である当社油圧MMIIIシリーズとほぼ同等の設置面積を達成した。当社は自動車業界向け射出成形機のグローバルスタンダード機としての市場定着を目指す方針で、国内外で積極的な営業を展開する。


型締力3000トン電動射出成形機「3000em」(完成予想図)
型締力3000トン電動射出成形機「3000em」(完成予想図)
 型締力3000トンは、当社独自開発の高トルク低回転の大容量DDサーボモーターを搭載して実現したもの。このクラスの市場は大物の自動車部品の成形が中心だが、「3000em」は、これまでの電動射出成形機が最大1,800トンクラスの型締力であったものを大幅に凌駕、電動型開閉/電動メカ割ナット開閉システム※3や自動車部品材専用のMDメルタ付UBスクリュ※4などの新機軸も加わって、自動車バンパーの生産で従来の油圧機対比30%短縮の世界最速サイクルを実現した。

 成形品のバリ不良を解消して品質の安定を実現しているのも「3000em」の大きな特徴。バリレス成形を可能とした新タイプの分割型センタープレス型盤は、独自の中押し構造で金型合わせ面の均一性を確保。また、同時に開発した電動型内圧波形制御は、射出軸駆動に搭載した大容量DDサーボモーターを4軸同期制御して金型内の溶融樹脂圧を低圧に保ち、バリ抑制に効果を発揮する。

 当社独自の2プラテン型締機構※5とハイブリッド型電動システム※6を採用して、省エネルギー、省スペースも実現した。省エネ面では、消費電力を油圧機対比60%低減。また省スペース面では、機長を同クラストグル型締機構の80%以下の約15mとしている。さらに、低騒音型エコポンプシステム※7と射出のDDサーボモーター化により機械回りでの低騒音化を実現し、作業環境を改善する。

 バンパーに代表される自動車用大物部品成形の主要な課題は「ハイサイクル」と「薄肉化」。今回の「3000em」は、高速射出(大容量DDサーボモーターなど)、高速型開閉(電動型開閉/電動メカ割ナット開閉システム)、高速可塑化(電動高速スクリュ回転機構)などの機能を備えて高速化に対応。また、多点ゲート充填(シーケンシャルゲート制御)※8などにより薄肉化にも余裕を持って応えることができる。初号機は来年3月出荷予定で、引き続きバンパーなど大物自動車部品に的を絞り、関連業界向けに積極的な売り込みを展開する。

※ 1新型センタープレス型盤 = 型盤デザインの変更により、型盤の湾曲を防ぎ、型内圧 が高い場合のバリの発生を抑制する。
※ 2電動型内圧波形制御 = 従来の樹脂充填工程では速度制御を主に採用していたのに 対し、金型内の型内圧を制御の対象とし、充填に必要な最低型内圧で成形することができるようにして、低圧での成形を可能にした。
※ 3 電動型開閉/電動メカ割ナット開閉システム = 適切に配置されたボールねじとサ ーボモーター制御により、高応答な型開閉を実現、従来の油圧機に比べ、型開閉ドライサイクルを大幅に短縮した。
※ 4 MDメルタ付UBスクリュ = スクリュの先端に多角形断面形状を持つミキシング を装着することで、可塑化能力を落とすことなく、ハイサイクル成形時の未溶融樹脂の混錬性能を向上させた。
※ 5 2プラテン型締機構 = 固定盤と可動盤の2枚のプレートから構成される型締機構。 トグル機構のように3番目のプレートを持たない、当社の大型油圧機が従来から採用している方式で、省スペースをはかれるのが特徴。
※ 6 ハイブリッド型電動システム = 射出成形工程での駆動で電動と油圧を使い分ける システム。力制御精度が必要な型締工程、ノズルタッチ工程などは油圧システムを採用し、速度、圧力制御の精度と再現性が不可欠な射出、可塑化、型開閉とエジェクタの工程は電動システムを採用する。
※ 7 低騒音型エコポンプシステム =油圧ポンプとサーボモーターを組み合わせ、成形工 程で必要なタイミングのみ回転数を所定値まで上げて油圧駆動させるポンプシステム。油圧の脈動変化を抑え、低騒音を実現する。
※ 8 多点ゲート充填(シーケンシャルゲート制御)= 金型内に樹脂を充填するゲートが 複数あり、高圧にしなくても樹脂が充填できる低圧成形の手法。シーケンシャル制御によりゲートを樹脂の流動方向にあわせて順次開けていくため、より低圧での成形が可能。

◇「3000em」の仕様表
 
項   目
単  位
 
スクリュ径
mm
150
スクリュ L/D
-
22
型締部
型締方式
-
エレクトロハイドロ方式
型締力
KN(tf)
29,420(3,000)
離型力
KN(tf)
1,824(186)
デイライト  最大
mm
3700
金型厚さ
mm
1,000~1,900
最大型開ストローク
mm
2,700
タイバー間隔  H×V
mm
2,050×1,900
型盤寸法      H×V
mm
3,200×2,500
最小金型寸法
mm
1,290×1,290
型開閉速度(型閉/型開)
m/min
50
エジェクタ突出ストローク
mm
350
エジェクタ突出力
KN(tf)
392(40)
エジェクタ速度(前進/後退)
m/min
12.5
射出部
射出ストローク
mm
750
理論射出容量
cm3
13,200
射出重量
OZ.
466
スクリュ回転速度
rpm
167
最大射出圧力
MPa
(kgf/cm2
177
(1,800)
最大射出率
cm3/sec
2,030
最大射出保持圧力
MPa
(kgf/cm2
147
(1,500)
射出馬力
kW
(PS)
359
(488)
可塑化能力(PP )
kg/hr
835
ノズルタッチ力
KN(tf)
98(10.0)
その他
ヒータ容量
kW
84.8
全長
mm
15,240
mm
4,785
高さ
mm
4,015
センタハイト
mm
2,160
重量
ton
180



担当窓口:産業機器事業部

以  上