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三菱重工ニュース
2004年10月26日 発行 第 4289 号

窒素酸化物(NOx)を約15%低減させる電子制御の舶用エンジンを開発
26日に「UEC Eco-Engine初号機」見学会開催
 三菱重工業は、主要機能を電子制御化※1した次世代の舶用ディーゼル機関「三菱UEC Eco-Engine」(製品型式 8UEC60LSII- Eco)を開発、初号機が新来島どっく/豊橋造船建造の日本郵船向け6,400台積み大型自動車運搬船に搭載される。燃料の噴射や排気弁の開閉などに電子制御システムを採用することにより、始動性の向上や極低速での安定運航など、広い運転範囲の高操船性を実現するだけでなく、窒素酸化物(NOx)の大幅削減などの環境保全や燃費改善に大きく貢献する。
 当社では、初号機完成を記念して、26日、神戸造船所内で見学会を開催する。


三菱UEC-Eco機関初号機
三菱UEC-Eco機関初号機

 UEC Eco-Engineは、世界的な舶用機関への排ガス規制強化の動きに対応して開発された最新鋭の環境対応ディーゼル機関。燃料噴射系、排気動弁系、始動系、シリンダ注油系の電子制御化により、全負荷域での機関性能を最適化※2して、窒素酸化物の排出を従来機関より約15%低減可能にしたほか、煤煙の発生も抑える。
 また、部分負荷での燃費の改善やシリンダ注油率の低減などにより従来機関に比べ約1~2%の燃費改善を達成。加えて、全負荷域における燃焼室廻りの信頼性の向上※3や、異常監視機能の強化※4を実現している。
 さらに、燃料噴射と排気弁開閉のタイミング調整を容易にして、始動時から極低速※5・高速運転時までの操作性を大きく高めるなど、21世紀型主機関にふさわしい数多くの優れた性能を有している。

 「Eco」の名称は、この次世代型舶用エンジンの性能を象徴する電子制御(Electronically control)、環境対応(Ecology)、高操船性(Easy control)、高経済性(Economy)、高信頼性(Excellent condition)などの言葉から共通の文字をとったもの。

 当社は1988年からUEC型ディーゼル機関の電子制御化に取り組んできたが、今後も、UEC-LSII、LSEシリーズなど、他機種の電子制御化を予定している。さらなる環境規制・安定運航・高経済性など多様な市場ニーズに即応していくため、当社独自の技術である層状水噴射装置、予防保全システム(Doctor Diesel)や、販売以来高い評価を得ているSIPシリンダ注油システム※6をさらに電子制御化した注油システム(ECL: Electronically Controlled Lubricating System)※7などを、UEC Eco-Engineに容易に装備できるよう、すでに様々な取り組みを開始している。

「三菱UEC-Ecoエンジン」 主要目

型式
8UEC60LSII-Eco機関
シリンダ数8
シリンダ直径600mm
ピストンストローク2,300mm
出力(最大)×回転数(P1)16,360kW × 105rpm

※1 電子制御化=従来のカム軸での駆動を、コントローラと電磁弁で制御する高圧作動油による駆動に変更した方式。
※2  機関性能を最適化=電子制御化によって、あらゆる機関負荷や周囲条件、燃費性状に応じた作動タイミング、燃料噴射率の自由な設定変更が可能になり、全負荷域での機関性能の最適化が実現する。
※3  燃焼室廻りの信頼性の向上=常に最適な燃焼状態が確保できるため、シリンダカバー、ライナー、ピストン、排気弁などの燃焼室部材の信頼性向上がはかれる。
※4  異常監視機能の強化=燃料ポンプや排気弁駆動装置の作動などを監視する機能。
※5  極低速運転=従来は最高回転数の約35%の回転数での運転までが可能であったが、電子制御化することで、約10%の回転数での運転が可能となった。
※6  SIPシリンダ注油システム=SIPバルブによりシリンダ油を高圧噴射することで、従来よりシリンダ油の広がり性が向上し、シリンダ注油率の大幅な低減が可能となるシステム。デンマークのHans Jensen社が開発。
※7  ECL注油システム=従来のSIPシステムの性能をさらに向上させたもの。全負荷・全回転域における最適注油率制御を実現する。



営業窓口 :原動機事業本部 産業エネルギー部
製作事業所:神戸造船所

以  上