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三菱重工ニュース
2004年10月18日 発行 第 4286 号

わが国初 し尿の窒素を除去する電解脱窒素装置を納入
窒素規制強化に対応
 三菱重工業は、このたび高知県安芸郡の中芸広域連合(奈半利町、田野町、安田町、北川村、馬路村)から、電気分解で し尿に含まれる窒素を除去する電解脱窒素装置の初号機を受注し、納入した。生物処理を主体とした既存の し尿処理システムに組み込むことにより、短工期かつ低改造コストで、効率的な窒素除去を可能とする施設が実現する。し尿処理分野で、電気分解による窒素除去システムを導入するのはわが国で初めて。


電解脱窒素装置
電解脱窒素装置
 今回納入した電解脱窒素装置は、水槽中の電極で発生する次亜塩素酸と排水中のアンモニア性窒素を反応させて窒素を除去する。従来の生物処理に比べ、処理対象液の窒素濃度変動や処理量変化に対し、フレキシブルに対応するだけでなく、所要処理時間が0.5~1時間と従来方式に比べて20倍以上高速処理できるのが特徴。設置面積も、従来方式に比べ二十分の一とコンパクトで、大規模な改造を必要とすることなく既存処理施設へ稼動中でも追設できる。※1。

 都市部での下水道普及率は66%程度で、残りは し尿処理施設で浄化している。窒素・リンなどは東京湾など閉鎖性水域の富栄養化を引き起こして赤潮の発生やアオコの増殖を招くなど、依然、問題を抱えている。このため、第5次水質総量規制※2や水質汚濁防止法など、国は窒素の排出規制を段階的に強化している。本装置はこれらの規制に簡易に対応できるほか、最近、課題となっている浄化槽汚泥の混入率増加に伴う し尿の性状変化※3に対しても威力を発揮する。また、同時に色度やCOD※4なども除去でき、凝集剤・活性炭などの使用量も低減される。

 当社は、販売に当たり、一括契約のほか、メンテナンスや予備品を含んだリース販売メニューを導入し、顧客の予算事情にきめ細かく応じていく方針。今回の初号機納入を弾みとして、し尿処理施設をはじめ、窒素規制強化に対応した有機性廃水処理設備を必要とする全国1,100箇所以上ある地方自治体や広域組合に対して積極的にアプローチしていく。

※ 1既存の し尿処理システムは、異物処理を行う「前処理設備」、微生物により窒素やBOD※5を除去する「生物処理設備」、凝集剤や活性炭によりCOD、リン、色度などを除去する「高度処理設備」の大きく3つの設備で構成される。今回納入した電解脱窒素装置は、既存の処理システムの生物処理設備と高度処理設備の間に組み込み、自動制御による運転管理の省力化と安定した窒素除去を実現した。
なお、本装置は前処理設備と生物処理設備の間に組み込むことも可能である。

電解脱窒素システムプロセスフロー

   
※ 2  第5次水質総量規制 = 規制対象として従来のCOD(※3参照)に加え、新たに窒素・リンを追加し、廃水中のその総量を規制するもの。排出の濃度ではなく、総量そのものを規制するため、希釈などによる対応が不可となり、厳しい規制となっている。
※ 3 し尿の性状変化 = 近年の合併浄化槽の普及や新型マンションへのディスポーザーの設置などにより、し尿処理施設への浄化槽汚泥混入率が増加している。浄化槽汚泥は性状変動が大きく、浄化槽汚泥の混入率が増加した場合、これまでのし尿処理施設では水質の安定化が困難となっている。
※ 4  COD = Chemical Oxygen Demandの略。海や湖沼の汚染度合いを表す指標。
化学的酸素要求量。
※ 5  BOD = Biochemical Oxygen Demandの略。河川の水質の汚染度合いを表す指標で、好気性バクテリアが水中の有機物を酸化分解するのに要する酸素量。生物学的酸素要求量。


従来窒素除去方式
電解脱窒素システム
1.処理概要生物学的脱窒素法電解脱窒素+従来方式
2.処理速度長時間(0.5~1日)短時間(0.5~1時間)
3.設置面積11/20
4.操作性生物処理のため制御は複雑
フレキシビリティなし
自動制御による濃度変動対応
稼動から即座に能力を発揮
5.メンテナンス性簡易な設備のため容易
6.工期長い(3~6ヵ月)土木工事要
※処理規模による
短い(1~3ヵ月)
※処理規模による
7.改造コスト
11/2~2/3
8.運転コストほぼ同等 ※処理規模による



営業窓口 :機械事業本部 環境ソリューション部
製作事業所:横浜製作所

以  上