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三菱重工ニュース
2004年3月4日発行 第4214号

船舶用横揺れ防止機器 初輸出
世界最大の豪華ボートメーカー 伊 Ferrettiグループへ


 三菱重工業は、船酔いの原因となる横揺れを防止する装置「アンチ ローリング ジャイロ」(Anti Rolling Gyro 、以下ARG)を世界最大の豪華ボートメーカー イタリアのFerretti(フィレッティ)グループ(本社:フォルリ市、社長:ノベルト・フィレッティ氏)から140台受注、今後2年間で順次納入する。ARGの輸出は初めて。

アンチ ローリング ジャイロ
「MSM-4000」
「ナベッタ30」
(カスタムライン社製 全長30m)
 フィレッティグループでは、グループ傘下のフィレッティ ヨット(Ferretti Yachts)社、リーバ(Riva)社、カスタムライン(Custom Line)社等、計8社で製作する豪華クルーザーに装備する。

 フィレッティグループは初めてARGを採用することから、社有艇「ナベッタ 30」(カスタムライン社製、全長約30メートル)にARGを搭載、半年以上にわたり米国製フィンスタビライザーとの間で減揺効果を比較検討してきた。加えてカンヌ、モナコ、ジェノバなどの国際ボートショーで市場調査を行い、最終的にARGが優れていると評価、採用を決めた。

 ARGは、当社の衛星姿勢制御用ジャイロの技術をベースに開発したもので、船舶の横揺れが、装置を搭載しない場合と比べ50%以上低減し、乗り心地が向上する機器。「高速で回転するフライホイール(弾み車)をジンバル※1で支持し、外部からジンバルを揺動すると、コマは90度方向に回転力(ジャイロトルク)を出力する」という“地球ゴマ”の原理を応用し、そのジャイロトルクを船舶の横揺れの反対方向に働かせ揺れを抑えるもの。

 このARGは航行中の船舶の揺れだけでなく、停船時の横揺れまで減少させることに成功した世界初の装置。船舶のどこに取り付けてもその減揺効果は有効なため、既存船への取り付けも可能という特長をもつ。

 ARGは、平成7年5月に小型船舶用500型(角運動量※2500Nms、幅710mm、奥行き470mm、高さ515 mm、重さ130kg)を開発、販売を開始した。その後、高出力化を望む顧客の声に応え、2000型、4000型および12000型と順次パワーアップを図り、商品化している。
 今回受注したARG は、2000、4000、12000型の3機種で、中心機種は4000型。

 ARG を1台から複数台搭載することにより、排水量5トンから最大500トンまでの船舶の横揺れを抑えることができる。国内では、各県の漁業取締船・調査船、自治体の旅客船などに220台以上の納入実績がある。

 モーターボートは、世界で500万隻以上保有されているが、その内40フィート以上の豪華クルーザーは8万隻建造されている。今回そのトップ企業のフィレッティグループが採用を決定したことは、ボート業界全体にインパクトを与え一層の拡販が期待される。

 当社は、今後の輸出市場としてボートメーカー向けだけでなく、各国の沿岸警備艇・警察艇などにも拡販を図っており、現在イタリア警察のプロトタイプ艇で評価試験中である。

(主な仕様)4000型
・ 型式名:MSM-4000
・ 角運動量: 5000Nms
・ 寸法(W x L x H)mm : 1000 x 700 x 700
・ 消費電力(最大/定常):4300W/3000W(3相AC200V)
・ 重量:約700kg

※1.ジンバル= フライホイールを支える金属枠。
   
※2.角運動量= フライホイールの慣性モーメントとその回転速度の積で表される物理量 (SI単位:Nms)。この角運動量の大きさはARG の能力を示し、大きな船にはこの角運動量を多くするため複数台のARG を搭載する必要がある。

担当窓口
名古屋誘導推進システム製作所


以  上