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三菱重工ニュース
2003年6月2日発行 第4128号

世界最小のコンパクト型家庭用燃料電池を開発
実用化へ 画期的な1kW機


 三菱重工業は、1kW機として本体容積180リットルという世界最小レベルのPEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell=固体高分子形燃料電池)発電ユニットの開発に成功した。このコンパクト化はパッケージ機の台座や側壁に配管を埋め込んだ当社独自の「集積配管技術」を駆使し、配管を工夫したことにより高さ1m、幅60cm、奥行き30cmとマンションのベランダなどにも容易に置くことができるサイズとなった。同時にコンパクト化を通じて発電時の熱ロスを抑え、定格時での送電端発電効率※1が36%(LHV※2基準、以下同様)、総合熱効率87%という高効率化に目処をつける画期的な装置となった。

 
三菱重工コンパクト型家庭用燃料電池

 今回のコンパクト機では都市ガスとLPGを当面の燃料としているが、当社では灯油、ナフサ、メタノール、それにジメチルエーテルを含む6種類の改質技術を、燃料会社の協力を得て開発しており、多種燃料に対応する技術を有しているところが他社にない大きな特徴となっている。

 しかも、このシステムでは小型化に伴って本体の発熱ロスを大幅に低減させ、さらに改質効率を定格時83%、300W時でも79%に向上させた結果、300Wから1kWの負荷域で32%から36%という最高レベルのシステム発電効率を達成する見通しを得た。

 さらに、窒素ガスに代わるパージ(排出)用ガス※3発生機能をもつ新しい改質器を開発、これを組み込んだことによってDSS(Daily Start up & Shut down=日々起動/停止)運用が大幅に向上したことも大きな特徴の一つ。

 一般家庭での電力消費パターンは、深夜が200W程度、昼も300~500Wの時間帯があり、1kWの燃料電池を導入した場合には、日々起動・停止ができることと出力を下げた運転を効率よくできることがより大きな光熱費メリットを生み出す。この燃料電池は、DSS運用の大幅な向上を含め、実用化に弾みをつける装置となっている。

 今後、さらに、耐久性向上とコスト低減をはかり、燃料会社等が意欲的に開拓している燃料電池市場に対応して行く。

 このコンパクト燃料電池は今年末からサンプル出荷する計画。現在、汎用機・特車事業本部、広島製作所で商品化を推進している。

コンパクト型家庭用燃料電池(従来機との比較)

※1.
送電端発電効率= 燃料電池の発電効率(発電端)から補機,インバーターなどのロス分を差し引いた効率。
※2.
LHV= lower heating value。低位発熱量。投入した燃料の発熱量から燃焼によって生じる水蒸気の凝縮熱を差し引いた発熱量。
※3.
パージ用ガス= 運転を止める時に、装置内の可燃性改質ガスを装置外へ排出するために使用するガス。

担当窓口 汎用機・特車事業本部
広島製作所
技術本部 技術企画部
技術本部 広島研究所

以  上