ページの先頭です。 ページの本文へ メインメニューへ フッタへ
ページの本文です。

三菱重工ニュース
2003年5月12日発行 第4119号

当社初 PCB処理装置を受注 水熱酸化分解方式
類設計との共同企業体で 環境事業団から


 三菱重工業は、1日当たり2トンの処理能力をもつ高濃度PCB(ポリ塩化ビフェニール)処理装置を環境事業団から受注した。熱水の分解力を利用して毒性の高いPCBを無害化処理する技術である水熱酸化分解方式の装置。当社初の受注で、納期は平成17年10月の予定。

 
長崎研究所内
水熱酸化分解方式による
PCB処理プラント
  東京PCB廃棄物処理施設完成予想図

 この工事の正式名称は「東京PCB廃棄物処理施設設置工事」で、東京都江東区青海2丁目地先の中央防波堤内の敷地に建設される。この商談は一般競争入札で争われ、当社と類設計室で構成する三菱重工業・類設計室異工種建設工事共同企業体がトータルコスト(本工事の設計と施工の額、別途工事の建築の額、本工事の施設の運転管理の経費)を549億9086万円(うち、本工事の設計と施工の額268億円)と提示し、採用された。

 この商談は、単年度契約で、17年度まで3回の契約が取り交わされるが、平成15年度は設計業務が中心となるため契約額は15億200万円である。

 建設する主な施設は高濃度PCB受入・保管設備、前処理設備、液処理設備などで構成される高濃度PCB廃棄物処理プラントと建屋、それに付帯設備で、建設地の敷地面積は約29000m2

 このプラントは東京、埼玉、神奈川、千葉の1都3県内に保管されているPCBを処理するために建設されるもの。

 当社は平成10年、長崎研究所にPCBを処理する実証プラントを設置し、長崎造船所内に保管するPCBの処理を通じて研究開発を行ってきた。平成12年には長崎県より自家処理の認可を受け、保管するPCBおよびその容器の自家処理を実施するなかで、水熱酸化分解方式の実用化技術の確立に努めてきた。こうした広範な研究開発、自家処理運転を通じての安定した運転実績が今回の受注に当たって高く評価された。また、高濃度PCBの処理では他の方式と比べ運転経費が安いという特長もある。

 当社の水熱酸化分解方式は、380℃の熱水の中で、PCBを炭酸ナトリウムにより脱塩素化し、酸化反応により自然界に存在する水・塩・二酸化炭素に分解する環境に優しい無害化処理技術であり、PCBのみならず他の有機系廃棄物の処理にもその応用が期待されている。この処理技術は平成13年に日本産業機械工業会の優秀環境装置として経済産業大臣賞を受賞している。

 PCBは変圧器やコンデンサーの絶縁油として使われてきたが、その毒性から1972年に生産中止となり、適切な処理技術が適用されるまで、所有者に保管が義務付けられている。

 こうしたPCBの処理を進めるため国は広域処理施設の整備に着手、北九州、豊田、東京、大阪、北海道と現状では5カ所に処理施設の建設を計画、すでに北九州では処理装置の建設が始まっている。

 今回の東京は北九州に次ぐ2番目のプラント建設。国はまだ建設地の確定していない東北・北陸地方などでも選定を急ぎ、建設地を決定するもようで、PCB処理プラントの建設が全国で進むことが予想される。

 当社は、今回の受注を背景に今後行われる建設商談に積極的に対応する考えである。



営業窓口 機械事業本部環境ソリューション部
製作事業所 長崎造船所


以  上