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三菱重工ニュース
2003年5月6日発行 第4117号

砂漠緑化プロジェクトで 産学官連携
サウジアラビアで実証


 三菱重工業は、自然の力を利用して砂漠に水と緑を再生する“持続可能な砂漠緑化”※1をめざし今年度、サウジアラビアの紅海沿岸の砂漠を対象に広さ50km2規模の緑地帯を造る具体的なプラン作りに着手する。今年度から、このオアシス造りのプランを固めた後、3年後を目処に,サウジアラビア政府機関と連携して実証プラントの建設に取りかかる。これまで文部科学省のプロジェクトとして基礎研究を進めてきたが、サウジアラビア政府がこの計画に前向きの姿勢をみせているほか,中国,東南アジアおよび欧州にも研究参加の意思を示す国もあり、砂漠緑化計画は国際的なプロジェクトとして動き出すことになる。

 緑化を計画しているサウジアラビア紅海沿岸は、周辺に湿度の多い大気が流入している。この地域で、ある程度の規模まで緑化がすすめば、「森が雲をよび」雨をもたらすということが地球シミュレーター(海洋科学技術センター)を用いた計算の結果わかってきた。
 このプロジェクトではこうした自然のメカニズムを活性化し、砂漠の緑化が進む仕組み作りをめざす。

 また、この計画では自然界に存在する水循環の仕組みを生かし、さらに太陽熱等再生エネルギーを活用して、エネルギー消費の少ない水造りに貢献する。
 このプロジェクトで開発する水循環予測システムは、砂漠地域に限らず、世界の水不足に悩む地域にも有効である一方で洪水災害の防止などにも役立つ。

 当社は平成13年から東京大学、京都大学と連携して砂漠緑化に向けた基礎研究を続けてきた。
 一方、このテーマは文部科学省の「人・自然・地球共生プロジェクト」の1テーマに採択され、昨年度から5ヵ年計画で研究開発がスタート、地球フロンティア研究システム、防災科学技術研究所、京都大学、鳥取大学、上智大学の参加を得て、産・学・官連携プロジェクトとして研究を進めている。

 この取り組みは3月に開催された世界水フォーラムにて、わが国の公式施策として登録・公表された。

 21世紀は水の世紀といわれているが、当社は水の広域循環を地球規模で捉え、地球シミュレーターを活用して自然現象の理解・メカニズム解明を進め、それを工学的検討に展開して水資源確保・砂漠緑化のシナリオを描きあげる。
 今後、これに基づき問題点を解析、砂漠緑化の実現に向け全力を挙げる。

 なお、秋にはサウジアラビアのジェッダにて、サウジアラビアの政府研究機関と連携して、水資源確保・砂漠緑化に関するテクニカル・ワークショップを開催する。


※1.持続可能な砂漠緑化= 化石エネルギーに頼らず、再生可能なエネルギーをできるだけ活用した水資源の確保により緑化を進め、自然が本来持つエネルギーを活性化することによる、長期間継続可能な砂漠の緑化。


担当窓口 技術本部


以  上