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三菱重工ニュース
2003年2月6日発行 第4092号

バイオマス利活用のための新システムで事業強化


 エネルギー源多様化と地球温暖化対策に役立つバイオマスを普及・拡大させて行くためには、地域と密着し調和した新しいバイオマス利活用システムの構築(注1)が不可欠である。バイオマスには色々な種類があるが(注2)、三菱重工業はそれぞれの種類に対応した新しいバイオマス利活用システムの開発に成功した。今後、この新しいバイオマス利活用システムを普及・拡大していくため、政府が閣議決定した「バイオマス・ニッポン総合戦略」と一体となって推進していく。


注1) 図aに、バイオマス利活用システムを示す。
 バイオマス利活用システムを実現するためには、生産/収集段階における機械化、集約化等による効率化、安全性向上、供給の安定性を目指す必要がある。また、変換段階においては高効率・省力化、運用の簡素化等が必要となる。さらに利用段階では、変換製品の量、質的に安定した生産が不可欠である。当社は、そのための環境整備のあり方、社会に定着できるシステム作りと実用化を目指す。システム作りと実用化にあたって酪農家、林業家、自治体、学識専門家、エネルギー産業等本システム形成に関連する方々の意向を踏まえ、また知見を結集して実施する。
   
 
図a バイオマス利活用システムの概念
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注2) エネルギー資源としてのバイオマスは、図bに示すように、プランテーション(エネルギー作物生産)と残渣活用という2種類に大別される。
   
 
図b バイオマスの種類
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1. 家畜ふん尿等のメタン発酵・発電システム
 先ず、汚泥のメタン発酵によるエネルギー回収・利用の稼働実績を利用した家畜糞尿等の水分の多い有機性廃棄物への取り組みについて紹介する。
   
 
図1 メタン発酵・発電システム
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  特徴は以下の通り
・ 発酵槽内にメタン菌を高濃度で保持し,メタンガスを高効率に発生。
・ メタンガスから電力を回収し,排熱をシステムの熱源(メタン発酵槽の加温等)として有効利用。
 なお、家畜糞尿200トン/日を無処理の場合メタンが発生する為、CO2換算で年間1万2千トンを放出するのに対し、本システム採用により、約900トンに抑制される。
 
ホームページ   写真1 
メタン発酵・汚泥処理実績例

生駒市エコパーク21(奈良県)

 これらシステムを実現する為には、地域と一体になった取組みが必要であり、現在北海道や岩手県などの畜産業が多い地域と検討を進めている。



2. 間伐材等の炭化・ガス化システム
 次に、間伐材や廃木材等を炭化・ガス化するシステムについて紹介する。
 このシステムは、木材等が有する炭素分と揮発分(ガス成分)を副産物として分離し、それぞれの副産物の利点を最大限に活用しようとするもの。
   
 
図2 炭化・ガス化システム
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  特徴は以下の通り
キルン内でバイオマスを熱分解し,炭化物と可燃ガスに変換。
炭化物は,固体燃料として利用。また、賦活*処理し,付加価値の高い活性炭にも転換可。あるいは土壌改良材としての活用も考えられる。
可燃ガスは燃焼し,電力,熱等に効率的にエネルギ利用。
  *賦活: 吸着能力を高めるため細孔を発達させる操作
 なお、間伐材などを200トン/日の処理量で炭化物を固定すると年間1万8千トンのCO2固定化が見込める。
 
ホームページ   写真2 横浜製作所設置
汚泥炭化・ガス化システム
(炭化・ガス化試験運転実施中)

 この炭化・ガス化システムを実現すべく、現在北海道、高知県及び岩手県等で適用すべく検討を進めている。



3. 稲わら・籾殻等のガス化&液体燃料合成システム
 またもう一つの新たなシステムとして、稲わら・籾殻や草木等からメタノールやジメチルエーテル等を合成するバイオマスガス化液体燃料合成システムの開発を行っている。その一つとして現在、農林水産省バイオリサイクル研究において、1日当たりの処理量240kg規模のプロセス試験装置を運転している。
   
 
図3 ガス化&液体燃料合成システム
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  特徴としては、以下の通り。
・ 部分燃焼ガス化方式を採用。
・ 高効率(40~50%)でバイオマスをメタノールに転換。
・ メタノールは,石油代替容易な可搬燃料。
・ メタノールは、ジメチルエーテルなどの他の燃料にも変換利用可能
 
ホームページ   写真3
長崎研究所設置
240kg/日
バイオマスガス化
メタノール合成
プロセス試験装置

 これと並んで経済産業省資源エネルギー庁の補助金のもと、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)委託事業として、中部電力(株)や(独)産業技術総合研究所、(財)地球環境産業技術研究機構と共同で処理量1日当たり2トン規模の試験プラントを設計・製作中である。試験プラント完成後、バイオマス収集、生成メタノールの利用を含め、実用化に向けたトータルシステムの運転検証を行う予定。

 これら技術を有効に活用し、当社総合力を活かしたソリューション事業を展開するため、事業本部を横断する事業化推進チームを設置し、一層の事業強化を図ることとした。


担当部門 技術本部,原動機事業本部,機械事業本部
窓口 技術本部 技術企画部


以  上