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三菱重工ニュース
2003年2月5日発行 第4091号

わが国最大 2000kWの風力発電設備完成
経済産業大臣賞受賞の可変速ギアレス同期風車


 三菱重工業は、日本国内で最大となる2000kW級風力発電設備を沖縄新エネ開発(沖縄県浦添市、代表取締役社長 宮城 一氏)向けに完成、13日から試運転を開始する。
 沖縄電力の具志川火力発電所構内に設置し、沖縄電力に売電する。受注は平成14年6月。

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沖縄新エネ開発向け
2000kW級 風力発電設備
「MWT-S2000」
沖縄新エネ開発向け
2000kW級 風力発電設備
「MWT-S2000」据付風景

 この設備の年間の発電量は1000世帯に相当する427万kWh。石油火力と比較してCO2の排出量を年間803トンも削減できる地球環境保全型の発電設備。

 この風車は、当社と三菱電機が共同で開発したもので、商品名は「MWT-S2000」。永久磁石式同期発電機※1を採用した可変速ギアレス風車※2で、ローターの直径75m、ハブ高さ60m、最大高は97.5m。カットイン風速は毎秒2.5m、風速13mで定格出力に達する。

 欧州以外の風車メーカーが2000kW以上の大型風車を開発したのは初めて。また、永久磁石式同期発電機を用いた商用風車では世界最大。大型化で必要とされるブレードの軽量化、発電機と電力変換装置の小型化等の技術課題をクリアしたもの。

 この風車は、風の強弱による出力の変動を、インバータ、コンバータを利用して小さく抑え、品質の良い電力を効率良く供給できる。
 また、ギアレス(増速機がない)設計を採用したため、歯車の磨耗やオイル交換の心配がない。さらに、発電に必要な磁界を永久磁石で作るので、励磁用のコイルとブラシが不要となって機器の簡素化を図ることができ、信頼性と保守性が飛躍的に向上した。
 風力発電に適した強風地域は、わが国では高原、岬、離島などが多く、将来の洋上立地も考慮すると、壊れにくくメンテナンスしやすい風車が必要となってくる。

 当社は1980年に自社長崎造船所構内に40kWの風力発電設備を設置して以来、国内唯一の大型風車メーカーとして業界をリード、これまでに国内77基を含めて世界に約1400基の納入実績を誇る。1999年に国内初の1000kW機を室蘭市向けに納入したのに続き、今回は国内初の2000kW機を納入することになる。
 なお、この同期風車システムは、その技術が高く評価され、(財)新エネルギー財団の第7回新エネ大賞の「経済産業大臣賞」を三菱電機と連名で受賞することが決定した。


※ 1. 誘導発電機と同期発電機
コイルが磁界を横切ると、コイル内に電流が発生するのが発電の原理である。送電線の交流電流を用いて磁界を作る方式を誘導発電機という。送電線の周波数は一定なので、風車のローターも一定速度で回転する。
一方、発電機が送電線とは別個に自分で磁界を作る方式を同期発電機という。従来の大型同期発電機では外部から発電機回転子にブラシで電気を送って励磁装置で磁界を作る方式が使われていたが、今回は発電機回転子の表面に取り付けた永久磁石で磁界を作るため、励磁装置は不要になった。
   
※ 2. 可変速ギアレス風車
大型風車の回転数は普通、10~30rpm位である。一方、送電線の電気の周波数(50Hz/60Hz)に合わせた発電をするには、通常は汎用の誘導発電機が用いられ高速(1500rpm/1800rpm)で回転する。このため汎用の発電機を使った風車では、歯車を使った増速機が必要となるのに対し、多極同期発電機を用いた可変速風車は増速機を必要とせず、風速に応じた最適な可変速運転で高効率発電を実現した。


営業窓口 三菱重工業   原動機事業本部 電力部
製作事業所   長崎造船所
    三菱電機   電力・産業システム事業所(長崎)


以  上