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三菱重工ニュース
2002年8月29日発行 第4026号

半導体製造装置分野に進出
 次世代FRAM分野で富士通と共同開発へ


 三菱重工業は、高密度プラズマCVD※1装置の独自開発に成功し、半導体製造装置分野に進出することになった。本装置は、配線の多層化、素子の三次元化、新材料の導入等で微細化が加速されて行く次世代半導体向けに開発された。素子への低ダメージを基本コンセプトとしており、新材料などを扱う次世代不揮発性メモリー※2の開発に適用して行く。すでに情報機器の大手・富士通の強誘電体メモリーデバイスFRAM※3の層間絶縁膜形成技術の共同開発を進めることで合意しており、プロジェクトを立ち上げた。海外の半導体製造装置メーカーの独壇場である高密度プラズマCVD装置市場に参入し、当社の新しい事業として定着を図る考えだ。

 開発した装置はウェハ径200mmと300mm用の2機種。当社原子力部門が保有するプラズマ技術の応用製品として産み出されたもので、ウェハ径200mm用の2チャンバタイプで、幅2000mm、高さ2000mm、奥行き2800mmと非常にコンパクト。ウェハカセット装荷台、ウェハ大気搬送装置、ウェハ真空搬送装置、それにCVD成膜室などで構成されている。部品点数を抑えたシンプルな設計となっており、商品名は「MAPLE」。

 プラズマを使った成膜は、真空の容器に原料ガスを入れ、高周波パワーを容器内に入射してこれを電子とイオンに分離させてプラズマをつくり、気相反応でシリコンの酸化膜等をウェハ表面上につくるというもの。

 この装置ではウェハ表面でのプラズマ分布制御が可能で、これにより低温成膜など、チップにダメージを与えずに成膜することができ、不良品のでない優れた装置となっている。

さらに

1.  複数のガス種に対応することができ、1台の装置で数種類の膜種成膜が可能。
家電用システムLSI等の多品種少量生産に対応できる
   
2.  シンプルな装置構成としたことにより、高いメンテナンス性を実現する
など半導体メーカーが求める構造上の特長をもつ。

 この装置は、窒化膜など4種類の膜をつくることができ、処理能力は2チャンバタイプで、1時間当たり30枚。

 当社は3年前からこの半導体製造装置の開発に取り組み、ここにきて装置の実用化に結び付けた。今後、デバイスメーカー各社に装置をPRし、装置の供給あるいは共同開発などの道を探っていく。

 なお富士通との共同開発では、強誘電体キャパシターを備えた不揮発性メモリー製造においてキャパシター形成以降の配線工程でのキャパシター性能保持は必須課題であり、特に高集積化の推進においては強誘電体キャパシターに優しいダメージの少ない成膜技術の確立が必要となる。当社が「MAPLE」による低ダメージ膜の成膜技術の開発を担当、富士通が半導体デバイスでの実装評価による効果の検証と具体化を受け持ち、両社の協業により次世代デバイスを実現する半導体製造技術の確立を図る。


  ※1.プラズマCVD
Chemical Vapor Deposition(化学気相成長法)の略。
  ※2.不揮発性メモリー 電源を切っても記憶データが保持される半導体メモリー。
  ※3.FRAM 米国Ramtron International Corporationの登録商標。


営業窓口
原子力事業本部原子力部
製作事業所 神戸造船所


以  上