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三菱重工ニュース
2002年6月12日発行 第4006号

経済メリットの大きな家庭用燃料電池 実用化に前進
~わが国初 毎日の起動・停止に対応可能なコンパクト・保守容易な
システムを開発~


 三菱重工業は、実用化に向け取り組んでいる都市ガス利用の家庭用燃料電池で、燃料改質触媒の劣化を防止する新技術を開発、これにより家庭用燃料電池実用化の最大の課題とされてきた「DSS(Daily Start-up & Shut-down)運用」の確立にわが国で初めて成功した。当社技術本部広島研究所PEFC開発センターが開発した技術で、同時に装置のコンパクト化、ランニングコストの低減も実現、コンパクトで使いやすく経済メリットの大きい家庭用燃料電池の実用化に向けて大きな一歩を踏み出した。

 当社の家庭用燃料電池は、都市ガスを燃料とするPEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell=固体高分子形燃料電池)で、出力は1kW。

 家庭用発電システムでは、光熱費メリットを最大にするため電気消費量の少ない深夜は運転を止め、朝になって再起動するいわゆるDSS運用が適している。PEFCでは使用する燃料から水素を取り出し(「改質」という)て発電する仕組みになっているが、運転を停止すると、改質器に燃料ガスが残り、時間と共に改質触媒が劣化していく。このため停止時にはこの燃料ガスを改質器外へ排出(「パージ」という)しなければならない。このパージには一般的に窒素ガスを用いるが、1回のパージあたり数十リットルの窒素を要し、これを実現するためには、窒素ボンベ設置とボンベへの頻繁な窒素充填が必要となる。これが燃料電池のコンパクト化とランニングコスト低減の面で大きなデメリットとなっていた。

 当社は、ガスの改質に用いる触媒の劣化メカニズムを解明することにより、窒素を使わなくても劣化を食い止めることのできる技術を見いだしたもので、壁となって立ちはだかっていた触媒劣化問題を解消したことにより、家庭用燃料電池の実用化が現実のものとなってきた。これによって年間数万円の光熱費メリットを生み出すことが可能となり、家庭用に特に求められる経済効果に大きく寄与することになる。

 当社は既に1年以上の耐久性テストを継続中であり、今年末にサンプル出荷を開始すると共に、汎用機・特車事業本部、広島製作所にて商品化を進める。


担当窓口 技術本部 広島研究所
汎用機・特車事業本部
広島製作所

以  上