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三菱重工ニュース
2002年2月4日発行 第3976号

わずか10秒で放射線を検出
わが国初 β線とγ線を同時測定


 三菱重工業は、原子力施設、病院、研究施設などの放射線(※1)管理区域から発生する廃棄物などから出る微量の放射線をわずか10秒という高速で検出する高感度の「微量放射線高速計測装置」を開発、この分野に本格的に進出することになった。これまで困難であった廃棄物の表面汚染(β線※2)と内部の放射能(γ線※3)の同時計測をわが国で初めて可能にした画期的な計測装置で、空港手荷物などの検査にも応用できることから環境、セキュリティを中心に市場の開拓に取り組む考えである。

 この装置は放射線ごとに異なる波長を識別できる特殊な検出器を採用したものであり、アタッシュケース程度の大きさのものなら10秒ほどで放射能汚染、内部放射能の有無を計測できるところが最大の特徴。

 従来の装置では表面の汚染(β線)と内部の汚染または放射線(γ線)を区別して同時に計測することが不可能であったため、別々の装置でしかも手作業によって計測しており、人手と時間がかかっているのが実情である。

 こうした点を解決するため、この装置では特殊な2層の検出器と光信号処理を採用、これによって同時計測が可能となった。
 加えて10秒という極めて短い時間で計測でき、しかも連続測定が可能であるため、検査業務の効率を高めることができる。

 放射線は自然界にもあるが、検査したものが自然放射能レベルより低い数値であることを証明できる優れた性能を備えていることも大きな特徴の一つ。

 また、検出器を複数個配列することでアタッシュケースよりも大きな物でも計測できるうえ表面の汚染場所の特定、汚染の分布状況を示す機能をもつ。

 当社は原子力発電など原子力技術に幅広く取り組んでおり、この製品はその原子力技術を活用した新製品開発の一環として生み出された。

 この検出システムは検査が義務づけられている放射線管理区域での利用に加えて、空港手荷物の検査などに幅広く使用することができることから、今後、国内外に向けて市場を切り開いていく方針である。




  ※1. 放射線 原子から出る粒子や電子、電磁波のこと。この放射線を出す能力を「放射能」、放射線を出す物質を「放射性物質」とよぶ。
※2. β線 原子核から飛び出す電子で放射線の一種。物質を透過する力はγ線より小さい。
※3. γ線 放射性元素から出る電磁波。γ線は物質を透過する力がβ線に比べて強い。


 

担当窓口 原子力事業本部原子力部
製作事業所 神戸造船所

以  上