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三菱重工ニュース
2001年2月22日発行 第3901号

ダイオキシン類の高速高精度計測技術を開発
ダイオキシンの抑制に道開く


 三菱重工業は、「ダイオキシン前駆体(※1)のリアルタイム計測」と「ダイオキシンの直接計測」の二つの計測技術を開発した。

 焼却炉の排ガスに含まれるダイオキシンは社会的に問題となっているが、焼却炉の運転改善によって発生を抑制することができることがわかっている。そのためには高精度でしかもリアルタイムで計測できる技術の開発が求められていた。その要求に応えるため開発したのが今回の技術。今後、既設炉で実証実験を行い、細部の検討をして今夏には製品化の予定。

 「ダイオキシン前駆体のリアルタイム計測」は、真空紫外光イオン化質量分析法(※2)を用いて測定する方式。5秒毎に、30ppt(300億分の1)の感度で、数十種の前駆体同時計測を達成した。

 これまでダイオキシン前駆体をリアルタイムに測定する技術はなく、これが初の開発。この計測技術により5秒毎に、30ppt以下のダイオキシン前駆体の計測が可能となった。この計測結果をフィードバックして燃焼制御することで、ダイオキシンの発生を抑えることができ、ダイオキシンの抑制に道を開く画期的な計測技術といえる。

 一方、「ダイオキシンの直接計測」は、真空紫外光イオン化分析法と短時間濃縮(※3)とを組み合わせたもので、ダイオキシンそのものを計測でき、焼却炉内、集じん器出入口等で極低レベルにあるダイオキシンを連続してモニタリングすることができる。

 今回開発した技術は、当社基盤技術研究所を中心とした研究チームで実施した。
 なお、当社は常に環境にやさしい安全な技術を提供することを心がけている。

※1.ダイオキシン前駆体=ごみ焼却炉の排ガスの中にダイオキシン類の約1000倍の濃度で存在し、ダイオキシンの指標物質でもある。

※2.真空紫外光イオン化質量分析法= 非常に高いエネルギーをもった真空紫外光により分子量の大きな有機分子をイオン化し質量分析する方法で、
(1)リアルタイムに計測が可能で、制御用として利用
(2)数十種の前駆体を同時に計測できるため、ダイオキシン濃度を精度よく推定可能などの特長がある。
ダイオキシン計測技術の開発は平成10年から行っており、社内実験炉にて燃焼排ガスを計測し、クロロベンゼン類、クロロフェノール類などの前駆体が同時に計測できることを検証している。

※3.短時間濃縮= 前駆体よりも低濃度のダイオキシン類を特殊な吸着剤を用いて濃縮する方法。この組み合わせによりダイオキシン類の同族体を世界で初めて1時間という短時間で、しかも1ノルマル立法メートル当たり0.01ng-TEQの極低濃度レベルで測定できることになった。
従来はダイオキシンの分析には2週間程度を要していた。



担当窓口: 技術本部 基盤技術研究所

横 浜 研 究 所

 

以  上