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- ニュースレター -   2000年7月18日
 

三菱重工・住友商事の
フィリピン・マニラ大型鉄道建設プロジェクト、全線開通へ

【概  要】
 三菱重工業株式会社 (社長:西岡喬)、住友商事株式会社 (社長:宮原賢次)の2社連合が推進してきたフィリピン・マニラ首都圏の鉄道プロジェクトは、昨年の部分開業に引き続き、全線17kmが予定通り完工し、7月20日から全線で営業運転を行う運びとなった。フィリピン政府の国家プロジェクトである本件は、マニラ首都圏における交通混雑の緩和、及び、これに伴う排出ガスの削減に貢献するものとして国民から期待されており、全線営業開始の当日はエストラーダ大統領も出席して盛大な完工式典が行われる。

 本プロジェクトは、マニラ首都圏の主要幹線道路であるエドサ通りを利用し、マニラの中心街であるケソン地区とマカティ地区を結ぶ全長約17kmのLRT(ライト・レール・トランジット・システム)3号線を建設するもので、三菱重工と住友商事はLRV(ライト・レール・ビークル、軽快鉄道車両)73両、運行に必要な電気機械システムほか、車両基地、駅舎13駅、軌道構造物などの土木工事を含む鉄道システム一式を事業本体であるMRTC社からフル・ターンキーで受注していた(建設着工:1996年10月)。なお、三菱重工と住友商事は建設契約に引き続き、今後10年間に亘り鉄道システムの保守業務を請け負う。

 本プロジェクトの事業主体は、フィル・エステート・グループ、アヤラ・グループなど有力フィリピン企業多数が出資する投資事業会社MRTC社で、同社はフィリピン政府(運輸通信省)とBLT(建設・リース・譲渡)契約を締結しており、システム建設後25年間のリース及び保守業務を担当する。システム建設の総事業費は6億5,500万ドルで、MRTCは国際協力銀行によるバイヤーズ・クレジット2億9,000万ドルを含む総額4億6,500万ドルの融資を銀行団から受け、残り1億9,000万ドルをMRTCが出資している。

 なお、本件はLRT3号線プロジェクトの第一期工事であるが、現在、第一期工事と同じスキームによりLRT1号線の北端とLRT3号線の北端を結ぶ全長約5kmの第二期工事が計画されており、2000年の着工を目指して案件組成が行われている。第二期工事が完成すると1号線と3号線との乗換えが可能になり、利便性は飛躍的に高まる。


【背  景】
 鉄道事業は他のインフラプロジェクトと比較して、需要予測の難しさや、公共輸送機関の宿命である運賃値上げの難しさにより、BOT(建設・運営・譲渡)のような通常の民活方式によるプロジェクト組成は非常に難しい。こうした中で、本件は、鉄道民活プロジェクトでは世界初のBLT案件として国際的な注目を集めていた。

 本プロジェクトは、フィリピン政府が指定する国家プロジェクトの中でも最重要案件の一つとして位置付けられ、建設期間中はフィリピン政府から最大限のサポートを受けた。例えば、鉄道建設の阻害要因の一つとして建設用地確保の問題があるが、本プロジェクトでは、フィリピン政府が車両基地用地に居住していた不法占拠者に代替住宅を供給するなどの施策を実施したため、用地確保が円滑に行われた。また、鉄道建設工事はしばしば交通渋滞を引き起こすが、フィリピン政府は沿線住民の理解を得つつエドサ通りの交通規制を行った。
  以上