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三菱重工ニュース
2000年6月23日発行 第3848号

ランニングコスト30%削減 地球温暖化ガスも大幅削減
次世代型下水汚泥焼却炉を投入


 三菱重工業は、建設費を約15%、ランニングコストを約30%も低減でき、しかも地球温暖化ガスを大幅に削減できる画期的な下水汚泥焼却炉を開発、実用化に成功した。自治体向け下水汚泥焼却炉の主力機種、流動床炉の次世代炉として開発したもので、商品名は「三菱新型高性能流動床炉」。7月から本格的な営業活動に乗り出す。


「三菱新型高性能流動床炉」実証プラント

 建設費の15%削減は、高温の砂を炉内循環することにより、従来の炉に比べ単位面積当たりの処理能力を4倍にまで高めたことから実現した。単位面積当たりの処理能力の向上は装置のコンパクト化につながる。
 また30%のランニングコストの低減は、炉内脱硫による無排水システムの採用によって達成したもので、処理能力の向上とあわせ、"次世代"の名にふさわしいハイレベルな技術を備えた焼却炉となっている。

 「三菱新型高性能流動床炉」は、含水率の高い下水汚泥用の焼却炉として開発したもので、炉底部から一次空気を吹き込み、まず流動層を形成する。投入された汚泥はこれまでの炉と同じように流動砂と激しく接触、攪拌され、汚泥の水分と有機物のガス化および燃焼が行われる。

 流動層の上面には二次空気を吹き込み、ガス化した汚泥を循環砂と共に上部に吹き上げ、焼却する。
 炉内を上昇する高温循環砂は、サイクロンで焼却灰と分離され、高温のまま再び流動層部に戻される仕組みで、熱エネルギーを有効に利用する省エネタイプの焼却炉となっている。

 これまで行ってきた実証試験では燃焼効率の向上にともない、燃焼空気比の低減と炉出口の有害ガスさらに地球温暖化ガスである亜酸化窒素(NO)も大幅に減少することが確認された。

 下水汚泥には硫黄分も多く含まれており、従来の炉では炉出口で約800ppmの硫黄酸化物(SOx)が発生していた。このため排ガス処理に排煙処理塔を設置、苛性ソーダ(NaOH)による湿式処理で除去する必要があった。

 これに対し、この新型炉では炉内に石灰石を投入することにより、煙突出口までに硫黄酸化物の98%を除去することに成功した。
 この結果、排煙処理塔が不要となり、排ガス処理設備はバグフィルターだけで済み、従来以上にシンプルな設備となる。
 亜酸化窒素の低減と合わせ、環境保全タイプの焼却炉になっていることもセールスポイントの一つ。

 当社では、コンパクト、省スペース、加えて高い性能を発揮する新型高性能流動床炉を今後シリーズ化、求められている低コスト、維持管理性の向上をはかることにしている。
 さらに、し渣等と混合焼却可能な広範なオプション設備を準備することにより、幅広いニーズにも応えていく方針である。

 なお当社は実証炉を横浜製作所金沢工場内R&Dセンターに設置し、自治体などを対象に運転状況を公開しており、安定した運転状況が高い評価を得ている。


営業窓口 : 環境装置第一部
製作事業所 横浜製作所

 

以  上