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長年しのぎを削りあってきた釜石シーウェイブス。

ダイナボアーズにとっては特別な存在だ。

新たな船出となったトップチャレンジリーグ(TCL)の初戦は敵地釜石市球技場での戦い。

地元を愛し、地元から愛される釜石ラグビーは「ラグビーの町釜石」としてその名を全国に広め、2019年ワールドカップ開催地にも選ばれている。

また、どんな相手にも果敢に戦いを挑む逞しいプレースタイルは沢山のラグビーファンを釘付けにする尊敬すべきチームだ。

試合当日の朝、市内には釜石シーウェイブスを応援する宣伝車が試合告知で町を回り、絶対に負けられない大一番であることを感じさせた。



 

「我慢強さで勝負する。」

大切な開幕戦でゲームキャプテンを任されたFL小林訓也の言葉に重みを感じた試合内容であった。

今季からダイナボアーズに加入し、前評判通りのズバ抜けたタックルスキルと精神力の強さでダイナボアーズのFWを牽引。今回の釜石戦においても要所を抑え、ダイナボアーズのピンチを何度も救ってきた。

それに付け加え、6番で先発出場したFL中村拓樹は、持前のビックタックルを何度も繰り出し、チームに勢いをもたらした。

この両FLの活躍と全員が前に出るディフェンスを心掛けたことにより、ダイナボアーズは試合終了間際まで釜石に得点を許さなかった。

また、ゴールラインを背にする局面において釜石に勝る集中力で粘り強く体を当て続けたことも今回の勝因となっている。

 

「相手は関係ない。どんな試合においてもトライを取り急ぐのではなく、とにかく自分たちのラグビーに拘ること。我慢の時間に耐えて、相手よりも走る。試合が終わった時におのずと得点はついてくる。」

試合前日のミーティングでFL小林訓也が全員に伝えた言葉だ。

 

その言葉通り、前半から両チームともに我慢比べの試合展開となった。

ダイナボアーズは敵陣に攻め入るもラックにおいて釜石の激しいプレッシャーがかかり、ミスやペナルティーでチャンスを生かすことができない。

また、釜石の攻撃は昨年度までダイナボアーズに加入していたCTBロコツイ・シュウペリ選手を中心にバンバン体を当ててくる。

しかし、この激しい攻防においてとにかく我慢強く前に出るディフェンスを全員が徹底し、度重なるピンチをチャンスへと変えた。また、セットプレーにおいてもHO安江祥光、PR藤田幸仁がしっかりと相手を抑え込み、良いボールをBKへと供給することに成功している。

試合が動いたのは前半32分。

相手のペナルティーから敵陣ゴール前でのラインアウトを獲得。この大チャンスを生かすべく、がっちりとモールを組み先制トライを奪取。(5-0)その後も攻撃の手を緩めることなく敵陣でのラグビーを継続した。

終了間際の47分。敵陣ゴール前での連続攻撃から最後の大チャンスをモノにすべく一瞬のスキを狙っていたSH芝本裕吏がフェーズを重ね相手の動きが鈍くなったところを走り抜け、貴重な追加点を重ね、良い形で前半を終了することができた。(12-0)



 

後半も更なる我慢比べに勝負を挑むダイナボアーズ。

攻撃においては、果敢に相手陣に攻め入るも、最後のとどめが決まらない。

また、釜石シーウェイブスが今シーズン得意としているモールに対し、得点にはならなかったものの、モールを起点とする危い場面が見られるようになり、手に汗握る試合展開となっていった。

そんな状況を打開したのは今季新加入したCTBマイケル・リトル。

敵陣22m付近において相手のミスボールからターンオーバーし、素早く展開。CTBマイケル・リトルが力強いランニングで相手ディフェンスに絡まれながらもインゴールへとボールを持ち込んだ。(19-0)

後半はこのトライに留まり、試合の流れはダイナボアーズにあるものの、自分たちのミスにより攻め切れない、取り切れない状況が続いた。

逆に試合終了間際、敵陣22m付近の攻防において最後の猛攻撃を仕掛けるべくダイナボアーズが主導権を握りボールを動かすも、ボールが手につかずノックオン。そのボールを素早く展開した釜石BKは自陣ゴール前から一気にダイナボアーズ陣へと走り抜け、止めることができないまま後味の悪いトライを献上することとなった。(19-7)



 

課題は多く残すも、価値ある勝利。

大漁旗が揺れる釜石での勝利は、何よりも大きい。

開幕戦に相応しい激しい戦いに、

「まだまだ我慢が足りない。試合展開・状況に対する戦い方についてもチーム全員で見直す必要がある」

とコメントしたゲームキャプテン小林訓也に笑顔は無い。

厳しさの中に闘志が漲るベテランFLに頼もしさを感じると共に、この先に待つTCLの激闘にワクワクさせられる。

ダイナボアーズの挑戦が幕を開けた。

 

 

佐藤監督コメント

遠方地にも関わらず多くの皆様に競技場まで足を運んでいただき、ご声援をいただきました。釜石さんの大声援にも負けない応援が私たちにとって計り知れない程に力となり、勝利への追い風となりました。誠にありがとうございました。

TCL開幕にあたり、選手たちには開幕戦だから、釜石さんだからといって入れ込む必要は無く、いつも通り良い準備をして一戦一戦を大切にすることを伝え、この試合を迎えました。

まずは、慣れない人工芝や、釜石さんのホームで勝利できたことに価値があると思います。

試合内容はとしては、90分はミスがありながらも良く我慢できていたと思います。最後のワンプレーで後味が悪い試合にしてしまったことが悔やまれます。

しかしながら、ディフェンスシステムの向上や、インゴールを背負っても粘り強いディフェンスができるようになったことは収穫でした。特に中村、小林の両FLの活躍は素晴らしく、チームに勢いを与えてくれました。

チーム全体のプレーの精度にはムラがあるので、コンスタンスに高いレベルでのラグビーができるよう次戦のマツダ戦に向けて万全の準備をしていきたいと思います。

 

PICTURE(S)

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