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最後の戦い「トップリーグ入替戦」
勝ったら天国、負けたら地獄
まさにこの言葉がよく合う戦いである。
トップチャレンジから這い上がってきたチームにしてみれば、千載一遇の大チャンス。
対するトップリーグチームにしてみれば、危機感に全身全霊を研ぎ澄ましプライドを賭けて戦う大一番である。
ダイナボアーズは4季連続でこの「入替戦」を戦うことになる。
毎年のように「今年こそは」と倒れても立ち上がる雑草魂を胸に挑戦してきた。
その度にトップリーグの高い壁に遮られ、唇を噛み締めながら血走った目で敗戦を告げる電号掲示板を睨みつけてきた。

2016トップリーグ入替戦 vs NECグリーンロケッツ
12:00キックオフ 熊谷ラグビー場
試合結果 3-17
「まだ俺たちにはトップリーグで戦うだけの力がなかった。」
認めたくはないが、受け止めなくてはならない現実である。

試合前

ロッカー内は選手たちの気迫がみなぎり、荒らげる気持ちを抑えきれない状況に足の震えさえ覚えている。
同じ緑色をチームカラーとしているNECグリーンロケッツとの戦いにダイナボアーズは見慣れない紺赤のセカンドジャージを身にまとう。
選手たちは今シーズン1番の闘志をもって戦場へと駆け出して行った。

その集中力はキックオフと同時に爆発。
ダイナボアーズのキックオフと同時にボールをキャッチした相手に向かってLOダニエル・リンディー選手が強烈なプレッシャーを仕掛けタックルで相手をなぎ倒すと、すかさずペナルティー奪取。先制点を狙ったダイナボアーズはPGを選択しSH西舘主将が落ち着いてキックを成功。(3-0)出だしの集中力は完全にダイナボアーズが勝っている。尚も攻撃の手を緩めないダイナボアーズはSOハミッシュ・ガード選手が相手ディフェンスを崩すべく、ディフェンスラインの裏を突くキックを織り交ぜながら、相手の隙を狙い続ける。
しかしこれで崩れないのが長年トップリーグに君臨する強豪チームである。
こちらの猛攻撃に屈することなく強烈なタックルで前進を止め、こちらに流れを渡すことを簡単には許さない。また、セットプレーにおいてもプレッシャーをかけられ、思い通りの球出しをさせてもらえない。
それでもダイナボアーズは相手を上回る勢いでとにかく敵陣でボールを動かしていく。相手にターンオーバーされてもすぐにディフェンスに徹し、こちらも負けない程の激しいタックルで我慢の時間をもよく耐え、相手の攻撃を寸断することに成功していた。前半終了間際に自陣ゴール前でのスクラムから痛恨のペナルティーを犯し3-3と同点にされるも、手応えを感じる前半であった。

前半ではキックを織り交ぜた多彩な攻撃を繰り広げたダイナボアーズであったが、後半からはマイボールをキープし相手に試合の主導権を握らせないよう、とにかく最後の最後まで体力の限り倒れるまで走り続けることを徹底。ここまで力の差が均衡している場合、「勝ちたい」と強く思えた者が最後は勝利する。
しかしながらこの後半を制したのはNECであった。
ダイナボアーズも気持ちで負けているとは思えない程に最後まで戦いぬいた。
ではなぜ負けたのか。
勝負を左右した要因としてセットプレーと、最後を詰め切れない痛恨のミスが重なったことが上げられる。
相手に研究されていたラインアウトはこの試合、マイボールでのラインアウト17本の内8本をNECがターンオーバー。マイボールをキープした残りの9本中こちらの狙い通りに出せたラインアウトはわずかに4本であった。
またスクラムにおいてもプレッシャーをかけられ、攻撃のテンポを掴めずに苦しんだ。
だが、それ程セットプレーにおいて苦戦していたものの、点差を広げられず粘り続けることができたのは選手一人一人が自分の役割に徹し、体を張って戦い続けていたからである。

どんなに押されていても、我慢の時間を耐え、数少ないチャンスをものにすることは接戦を制する為に重要なスキルである。
NECの勝負所での集中力、そしてFWが一体となったモールで数少ないチャンスをものにしたことこそが、この戦いの勝敗を決めた。
ダイナボアーズは最後の最後まで果敢にNEC陣を攻め立てるも後半8分と13分に奪われたモールでの得点を守り切られ、悔しくも試合終了を告げるフォーンが熊谷の空に鳴り響いた。(3-14)

様々な想いが交差するが、この現実を受け止めなければならない。勝ちたいと思う気持ちは誰よりも持っていた。トップリーグに上がりたいという気持ちはどのチームよりも強い。それでも足りない。まだまだ足りない。
トップリーグチームと互角の戦いを繰り広げるも、今シーズンも目標を達することは叶わなかった。
どんな試合会場においてもどんな試合内容でも最後まで大きな声援を送って下さった、ファン、職場の皆様に心から感謝の気持ちが込み上げてくる。

「倒れても倒れても立ち上がるしかない。」
それこそがダイナボアーズであり、いつかこの泥沼の苦しい経験がダイナボアーズを支える土台となることを願うばかりである。
ダイナボアーズの挑戦は続く。

「勝つまで諦めるな。」
試合後、ロッカーに並べられていた泥だらけのジャージが静かに叫んでいた。

佐藤監督コメント
悲願のトップリーグを実現のものにしようと必勝を期して臨んだ試合でしたが残念な結果となりました。
今年はトップリーグへの自動昇格がないシーズンだったので、この日をターゲットに一年間練習を積んできました。
選手もスタッフもチームに関わった全ての人たちが高いモチベーションで本当によく頑張ってくれたと思います。
だからこそ最後の舞台でその姿をお見せできなかったことにとても悔いが残ります。
感謝と恩返しの気持ちを込めて勝利を信じて応援頂いたファンの皆さんと喜びを分かち合いたかったです。
来年こそは皆さんとのお約束が果たせるように一から出直して頑張ります。
最後に一年間、ダイナボアーズをご声援いただきありがとうございました。

文:竹花 耕太郎
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