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【試合レポート】キヤノン戦

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カップ戦もいよいよ最終節を迎え、初の地元スタジアムで開催となった対キヤノンイーグルス戦。ダイナボアーズは決勝トーナメント進出の望みは無くなってはいるが、1月開幕のトップリーグ本戦を見据えた上では現在の実力を試す試金石ともいえるこの試合。

当日は多くのファンイベントが開催され、来場されたサポーターの方には特製ベースボールシャツが配られるなど、かつてない程の盛り上がりを見せる中注目の試合は始まった。

 

キヤノンボールのキックオフで試合が始まると、立ち上がりからダイナボアーズはイージーなハンドリングエラーが目立ち開始直後から自陣に釘付けになってしまう。

前半3分、自陣でのキヤノンの連続攻撃をしのぎ続けるもオフサイドのペナルティー。

ゴールほぼ正面の位置からキヤノンはPGを選択し、相手キッカーがこれを落ち着いて決め、先制点を献上してしまうことに。(0-3)

 

その後のキックオフもダイレクトでタッチを割ってしまい中央相手ボールスクラムでリスタートに。立ち上がりから嫌な流れとなってしまうのか、そう脳裏によぎった直後のこと。

 

敵陣10メートル付近のダイナボアーズのラインアウトのシチュエーション。ラインアウト形成時に相手のわずかな隙を突き、PR成がスロワーから直接ボールをもらうと一気に相手裏へと抜け出すビッグプレー。これでダイナボアーズは勢いを取り戻し敵陣でゲームを進める。

 

前半10分、ダイナボアーズの連続攻撃からCTB奈良が個人技で突破し、その裏でサポートについていたFLトーマスに絶妙なパス。トーマスからのオフロードを受けたこの日はWTBで出場のレポロにボールが渡ると一気にゴール前までへ。

あわやトライかと思われたが、相手BKの激しいカバーディフェンスに阻まれノックオン。

 

これでさらに勢いに乗るダイナボアーズは、その後のラインアウトからキャプテンのNO8土佐がフィジカルで相手ディフェンスラインを突破してゴール目前へ。しかし、またしてもギリギリの所で相手ディフェンスに阻止される。

 

その後も一進一退の攻防が続き、時折落ちる小雨と汗の影響か両チーム共ハンドリングエラーが目立つ試合展開に。

 

前半21分、ダイナボアーズの連続攻撃からペナルティーを得ると、SOウィルソンが角度こそほぼ正面だが距離およそ40メートルのPGを決め同点に追いつく(3-3)

 

しかしここからなかなかリズムに乗り切れないダイナボアーズ。

32分、自陣ゴール前のスクラムをキヤノンに押し込まれペナルティーを与えてしまう。PGを決められスコアは3-6に。

 

更にその直後の35分、ダイナボアーズスクラムからのパスミスを相手SOが拾い上げ、約50メートルを走り切りそのままインゴールへ。ゴールも決められ点差はさらに広がり3-13に

 

何とか追加点を加えてから前半を折り返したいダイナボアーズだったが、前半終了のホーンが鳴った後に組んだスクラムがまたもやペナルティーの判定。これもPGを決められ前半を3-16のスコアで折り返した。

 

後半の立ち上がりも反則が続き自陣でプレーする時間が続く。

後半7分、今季サンウルブスでの活躍が目立ったキヤノンWTBサウマキがパワープレーでインゴールまで持ち込むも、ダイナボアーズ決死のディフェンスによりTMO判定に。

結果、判定はダブルモーションでノートライ。ダイナボアーズボールのペナルティーで試合再開となった。

 

暑さなのか、相手のプレッシャーなのか、いつもよりもミスと反則が目立ち、その後も19分、32分にキヤノンにPGを決められ点差はさらに広がる。(3-22)

 

しかし、最後の最後までピッチ上の選手達は勇敢に戦い続けた。

 

38分、キヤノンボールのラインアウトが乱れたところを後半から出場のLO徳田がスティール、こぼれ球をHO大塚が素早くBKに展開するとCTB奈良、LOエピネリが次々と前に出る。13にも及ぶフェーズを重ねたのち、WTBローランドが左隅にフィニッシュし、この日のダイナボアーズでは唯一のファイブポインターになった。

後半にゴールキッカーを任されていたFB青木がすぐさまコンバージョンを蹴り、最後まで戦う姿勢を崩さなかったが、蹴った瞬間に無情にも試合終了のホーンが鳴った。

 

トップリーグ昇格後の初勝利はまたもやお預けとなってしまったが、選手たちトップリーグチームとの連戦で多くのものを学んだことだろう。自分たちの通用する部分、さらに磨いていかなければいけない部分が浮き彫りなり、1月の本戦にむけて課題がより明確になったことは大きな収穫だったのかもしれない。

 

1月の開幕に向けてダイナボアーズの新たなる挑戦が始まった。