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トップリーグカップ第3節を迎えた秩父宮ラグビー場。

初夏の梅雨空とは裏腹に、通り過ぎる風はひんやりと肌を撫でてゆく。

 

前節、痛恨の逆転負けを喫し昇格後の初勝利はお預けとなってしまったダイナボアーズ。

翌週のコーチによる試合のレビューでは忌憚なき言葉が次々と選手に向けられた。

厳しくも確かな誠実さを纏ったその言葉達は、その週の初めから選手の顔つきをガラリと変える事になる。

通常の1週間のサイクルより1日短い、いわゆる「ショートウィーク」となったこの週のセッションは普段よりもコマ数こそ少なかったが、濃密な時間を過ごせたことはタッチラインの外側からでも一目瞭然だった。



 

19時、キックオフ。

 

風上を選択したダイナボアーズは、キックオフ直後からSOウィルソン、FBローランドのキックによってエリアを獲得し、敵陣でのゲームを進めるかたちで試合を運ぶ。

2人の長距離砲に勢い付けられたFWが徹底的にプレッシャーをかける理想的な立ち上がりとなった。

 

前半10分、一瞬のスキをも許されない。

クボタボールスクラム。組んだ直後オレンジ色の塊がぐっと押し込み、

ダイナボアーズがスクラムを崩した形となりペナルティー。

すかさず相手SHが空いたディフェンスライン裏へと技ありのキック。

一瞬のスキを突かれたダイナボアーズは対応が後手となり、一気にゴール目前までボールを運ばれた。焦ったかたちでのディフェンスは更なる反則を招き、今度はクイックタップからフェーズを重ねられ、最後は相手FWに押し込まれ先制トライを奪われた。

 

素晴らしい立ち上がりだっただけに悔やまれる展開だったが、ここからダイナボアーズはより集中力を研ぎ澄まし、チャレンジャーとして堂々と立ち向かっていく。安定したセットプレーでボールを確保、精度の高いキックで相手を背走させ試合をコントロールする。

しかし前半残り3分、相手ゴール前スクラムから大きく外に振ってきたボールが内側に切り返される。パスミスかと思われたそのボールを相手BKが拾い上げ、そのままインゴールへ飛び込まれ、追加点を許し前半を折り返した。(0-12)



 

前半はキックを有効に使いながら敵陣まで攻め込むも、クボタの厚いディフェンスに阻まれる状況が続いていた。

しかしながら、少なからずともチャンスは必ずダイナボアーズへ訪れていた。

このチャンスをものにすることが接戦の勝敗を分ける要因の一つであろう。

更なる集中力と気力が必要とされる時間だ。

 

後半も前半と同様にSOウィルソンを中心にキックを利用した戦略で挑んでいく。

陣地の確保と相手ディフェンスラインを崩すべく、何度もハイパントを繰り出し、チャレンジを続けていく。ディフェンスにおいても、全員が体を張り続け、相手の前進を阻止していく。

得点の瞬間を迎えたのは後半26分。相手のペナルティーから敵陣ゴール前でのラインアウトの大チャンスを掴み、FWが一体となったモールで相手インゴールへ。なだれ込んだ形でのトライとなった為、TMO(テレビジョンマッチオフィシャル)となったが、トライが認められ逆転に向けて貴重な得点。SOウィルソンの正確なゴールキックも決まり7-12とクボタを追い上げる。

ダイナボアーズは更に勢いを増し、敵陣でのラグビーを続けていく。

オレンジとミドリの壮絶な戦いに、手に汗握る試合展開。一瞬の油断も許されない状況において両者のプライドがぶつかり合う。

最後の最後までダイナボアーズは前へ出ることを諦めない。

後半36分、敵陣ゴール前まで攻め立て、連続攻撃をしかける。

試合会場は一発一発の攻撃に歓声があがり、目が離せない状況に。

最後はダイナボアーズのペナルティーによりクボタに軍配が。

 

チャンスをものにしきれなかったが、前節とは見違えるほどのパフォーマンスを見せた

ダイナボアーズ。相手のクボタスピアーズは今やトップチームと肩を並べる存在であり、そのチームに最後まで食らいついたことは今後大きな自信となるだろう。

 

開幕から勝ち星は未だに無いが、選手の顔には悲壮感は全くなく、その目は常に前を向き続けている。その視線の先にはトップリーグ初勝利という、三菱重工相模原ダイナボアーズの新たなる歴史の1ページが開かれてる。


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