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三菱重工グラフ graph ?Read the future?

No.164 2011.07

MHI IN THE WORLD 現地ハンブルグの記者が世界へ発信 From Hamburg DIRECT

北米のフォークリフト事業で協業によるシェア拡大戦略が奏功 MCFA、ユングハインリッヒ製品を販売

世界のフォークリフト市場は、2008年に起こったリーマン・ショックによって大きな打撃を受け、2009年の世界の販売台数は、前年比で一挙に39%も減少した。しかし、この1年の間に市場は回復。2014年は104万台以上の需要が予測され、2008年を12%以上も上回る販売を見込めるまでになっている。先進国の景気回復、新興国の経済発展を背景にしてのことだが、今後、この市場を巡る争奪戦が激化するのは必至の情勢だ。

先進国と新興国で異なる市場

先進国と新興国の市場では、求められる車両の仕様や能力が異なる。その要因には、まず法律上の規制や技術的な制約がある。さらに、経済発展段階を反映した違いも見られる。工場などの建設工事が活発で、重化学工業化が進んでいるアジアや中南米などの新興国では取り扱う積荷も大きく、重量物を運搬しやすい大型のフォークリフトが需要の中心になる。このニーズに対応するのが「カウンターバランス式」と呼ばれるもので、電動もあるものの大半はエンジン駆動である。

一方、工業化が一段落し、サービス経済化が進んでいる北米や欧州などの先進国では、物流システムの高度化が進展。倉庫や配送センターなどでの利用が主体なので、小型のフォークリフトが需要の中心になる。このニーズに対応するのが「屋内物流機器」と呼ばれる車両で、駆動方式の主流は電動である。またこれらの国々では、環境保全意識の高まりを受け、燃費効率向上、CO2排出量削減などの配慮が不可欠になっている。

「欧州や北米では、フォークリフト市場の回復を実感しており、今後も好調なレベルを維持しそうだ。一方、アジアや中南米には新たな成長機会を見出せると思っている。ただし、国際的なフォークリフトメーカーとして成功するには、それぞれの市場のニーズを満たす広範な製品を揃えることが非常に重要だ」。ドイツに本社を置く世界で第3位のフォークリフト企業、ユングハインリッヒ社のハンス・ゲオルク・フライCEOはこう強調する。

北米でフルライン体制確立

品ぞろえを充実し、多様なニーズに対応するために三菱重工は北米市場で提携戦略を採用した。2009年8月、ユングハインリッヒ社から屋内物流機器を中心とした北米での独占販売権を得ることに成功したのである。三菱重工は北米市場において、エンジン駆動車両のラインナップが中心で、電動車両、ことに屋内物流機器の充実化を模索していた。一方のユングハインリッヒ社は北米市場での販売強化を課題としていた。それらをお互い補完し合い、売り上げ増大を目指そうという戦略である。

北米で三菱重工のフォークリフトを販売しているのは、米国キャタピラー社との合弁企業、Mitsubishi Caterpillar Forklift America(MCFA)である。MCFAは、三菱重工が得意とするエンジン駆動車両を軸とした事業展開を行ってきた。そこにユングハインリッヒ社の小型の電動車両が加わったことで、フルライン体制を確立し、系列の販売店はさまざまなユーザーの幅広いニーズに対応できる品ぞろえを実現したのである。

欧米のような先進国では、カウンターバランス式車両から屋内物流機器へ、エンジン駆動から電動への移行が顕著になっている。カウンターバランス式車両のほぼ60%は新興国で販売され、屋内物流機器のほぼ80%は先進国で販売されたという2010年の数字は、それを示すものだ。そして三菱重工は、ユングハインリッヒ社の製品を加えたことも功を奏し、2010年に、北米市場でのシェアを上向きに転換することに成功した。

世界初のハイブリッド式発売

三菱重工とユングハインリッヒ社との10年間にわたる協業契約は、販売面だけではなく、開発面にも及んでいる。ユングハインリッヒ社が屋内物流機器を中心とする新製品開発に取り組み、それをMCFAが製造、販売する。新製品には、定評のあるMCFAの販売・サービスのネットワークから汲み上げた市場ニーズが反映され、より高機能で高品質なユーザーにとって魅力ある製品になることは間違いないだろう。

今後、フォークリフト市場で競争力を維持するためには、使い易さ、効率のよさとともに、燃費効率や環境特性も重要になる。そこで、三菱重工はリチウムイオン電池を装備したハイブリッド・フォークリフトを、世界で初めて市場に送り出した。この電池は自社開発したもので、最新の電池を搭載するハイブリッドあるいは電気車両の開発は、環境問題の解決に寄与するものと期待されている。

現在、世界のフォークリフト市場で第7位にランクされている三菱重工にとって、その地位を向上させることが中期的な目標だ。欧州やアジアにも拠点を持ち、それぞれの市場特性をにらんだ柔軟な対応を取り進めることにより、グローバルに事業を拡大する戦略である。三菱重工が今後、さらなる飛躍を目指し、いかなる策を講じるのか、注目される。

写真:ハイブリッド・フォークリフト
写真:Jungheinrich AG CEO ユングハインリッヒ社 CEO Hans-Georg Frey ハンス・ゲオルク・フライ

Jungheinrich AG CEO
ユングハインリッヒ社 CEO
Hans-Georg Frey
ハンス・ゲオルク・フライ

北米市場で共存共栄目指す

2004年以来、三菱重工をパートナーとして事業を推進しています。三菱重工からパワートレイン(動力伝達装置)とフォークリフトの技術を供与してもらう一方、屋内物流機器のソリューションを三菱重工に提供したのが第一歩でした。それ以来、両社は、高品質の製品、優れた技術とサービスを提供し合う信頼関係を維持してきました。

2009年、三菱重工グループのMitsubishi Caterpillar Forklift America(MCFA)と北米市場における10年間の製造・販売契約を結びました。米国、カナダおよびメキシコにおいて、MCFAを当社製品の独占販売企業とするもので、関連するすべてのサービス活動も委ねています。それと同時に、これから北米市場向けに開発する新製品はMCFAによって製造されることになっており、そのいくつかは来年登場する予定です。

現在、我が社はフォークリフトの供給会社として世界で第3位とされています。世界のフォークリフト市場のおよそ20%は北米ですから、ここは極めて重要な地域です。MCFAの強固な、かつ広範な販売網が、しっかりとビジネスチャンスを捕捉し、両社の協力によって北米事業が大きく伸びることを期待しています。そのためには、環境問題やエネルギー問題との関係に配慮し、電力消費の低減を推進していきます。

地域によって異なる屋内物流機器のニーズに合わせ、我が社は製品を開発・販売するために、MCFAと緊密な協力関係を構築していきます。北米市場で成功するには、バラエティーに富んだ製品を揃え、顧客を十分に満足させるサービス体制を確立することが重要です。その実現が、10年間にわたる製造・販売契約を結んだ狙いであり、MCFAは北米事業で成功するために、欠くことのできない役割を担っているのです。

相互の信頼と価値観の共通理解をベースに、三菱重工と共存共栄の道を歩んでいけるものと確信しています。同時に、三菱重工およびその関連会社との関係が長期間にわたって維持され、さらに発展するものと信じています。最後になりましたが、三菱重工とその社員およびご家族の方々、そして日本の皆様が、東日本大震災から急速に復興されるようお祈りし、将来も繁栄し続けていけることを望んでいます。

No.164 MHI IN THE WORLD
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