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三菱重工グラフ graph -Read the future-

No.169 2012.10

ココにもMHI。放射線治療装置[Vero4DRT]販売名:線形加速器システムMHI-TM2000医療機器承認番号:22000BZX00028000

高精度な照準をこれからの標準に。この新しいカタチがかなえます

日本だけではなく、世界で増え続けているがん疾患。その治療法のひとつが、放射線治療です。患部を切らずに治療するため、臓器の形や機能を保つことができ、痛みをともなわず体力消耗も少ないなど“患者さんにやさしい治療法”として注目されています。しかし、外科手術のように、医師の手で直接患部に触れることができないこの治療では、正確に患部へ放射線を集中させるために高い精度が求められます。そこで三菱重工では、加速管の開発・製造で培った技術力を応用し、世界最高レベルの照準精度±0.1ミリメートル(注)を実現した、まったく新しい放射線治療装置を誕生させました。“ものづくりを医療の分野でも役立てたい”という若手エンジニアたちの思いが生んだこの治療装置は今、世界の医療現場で“患者さんにやさしい治療”を支えています。

三菱重工の放射線治療装置は、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の基盤技術研究促進事業、産業技術実用化助成事業の支援 および、京都大学と先端医療センターから臨床現場に関する情報提供・技術支援を受けて完成しました。

(注)照射対象の中心点に対して、装置の回転によって生じる変動誤差(機械のたわみや動きによる誤差)が±0.1ミリメートル以内

超軽量照射ヘッドがかなえた、かろやかな動き

放射線の照準精度が治療の精度につながる放射線治療では、 患部と照射範囲の緻密な位置合わせが重要です。しかし従来の治療装置では、重たく大きな照射ヘッドがたわんで照射部にズレが生じやすく、位置合わせの精度を保つのが困難でした。そこで三菱重工は、小さくても大きなエネルギーを発生できる超軽量「Cバンド加速管(注)」を世界で初めて治療装置に適用。画期的に軽量・コンパクトになった加速管ヘッドを動かし、たわみによる照射部のズレを自動補正することで、緻密な位置合わせが可能になりました。これにより±0.1ミリメートルの照準精度を実現し、精度の高い治療が行えるようになったのです。

(注)三菱重工の「Cバンド加速管」は、従来の治療装置用加速管の約半分となる長さ 約30センチメートル、また重さ約12キログラムと超軽量・小型化に成功。半世紀にわたり培った加速管 製造技術で、世界初の医療装置への適用を実現した。(「加速管」の詳細は、特集ページをご覧ください)

イラスト:放射線治療装置Veroの特徴。二対のイメージング装置で患部の位置を立体的に捉えながら、治療台を動かさず、加速管ヘッドと装置自体が旋回。患者さんへの負担を軽減させた精度の高い位置合わせと照射を実現。CT やMRIといった断層撮影装置のような丸い形状も、放射線治療装置では三菱重工ならではのカタチ。この丸いフォルムの中に搭載されたいくつもの先進機能が、従来装置で生じる患者さんへの負担を軽減。

患部の動きに合わせて、ピンポイント照射

放射線治療で重要な、患部と照射範囲の緻密な位置合わせ。じつは、患部は‘呼吸’などにともなって、いつも揺れ動いてます。そのため、照射漏れをなくすには患部周辺の正常細胞も含めた広い範囲に放射線を照射するしかなく、患部だけに正確に放射線を集中させ、さらに治療時間も短くできる理想的な照射技術の確立が待ち望まれていたのです。患者さんの負担を少しでも減らしたい。三菱重工はその思いから、世界で初めて「動体追尾」機能を実現。動く患部をリアルタイムに追いかける加速管ヘッドにより、患部周辺への放射線の照射を大幅に減らします。これをかなえたのは、世界最高レベルの照準精度。よりピンポイントな照射が可能な「動体追尾」が、正常細胞へのダメージを極力回避し、からだへの負担を大幅に低減します。

イラスト:動体追尾機能。二対のイメージング装置等で患部の動きをリアルタイムに捉え、連動した加速管ヘッドが、首振り機能の自在な動きで患部を追尾。患部の位置をつねにモニタリングしながら放射線をピンポイントで照射し続けます。

使いやすさをカタチにした、心くばりあふれるデザイン

患者さんの不安を和らげ安心感を与えたいという思いから、装置のデザインにも配慮しました。特徴的な丸いフォルムには、枠の角にも丸みをつけ、やわらかなカラーを採用。細部まで心くばりを施しました。また、医療スタッフが、搭載された先進機能の数々をスムーズに使いこなせれば治療時間を短縮でき、患者さんの負担軽減につながります。そこで、状況把握や次の操作手順がつねにモニター上で分かるオペレーションを、治療する側の視点で開発しています。
高精度な照射の追求と患者さんへの思いやりが育んだこの放射線治療装置は、いま日本国内7カ所、世界4カ所で活躍。“ものづくりを医療の分野でも役立てたい”というエンジニアたちの思いは、すでに世界でも実を結びはじめています。

写真:Vero4DRT
No.169 ココにもMHI
高精度な照準をこれからの標準に