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三菱重工グラフ graph -Read the future-

No.168 2012.7

ココにもMHI ロケットの運搬台車[ドーリー]
揺らさず、やさしく、ピッタリと。

ロケット専用運搬台車「ドーリー」

正確に発射点へお届け、ロケット専用運搬台車「ドーリー」

気象観測やTV放送、カーナビなど、人工衛星を使ったサービスや製品は私たちの暮らしになくてはならないものになっています。三菱重工は日本で唯一、この人工衛星を宇宙へ届ける「ロケット打上げ輸送サービス(注)」を提供。今年5月にはH-IIAが日本のロケットとして初めて、海外のお客様の人工衛星を宇宙へ届けました。今、世界に向けて新たな一歩を踏み出したこのロケット打上げを、じつは56個ものタイヤを備えた運搬のスペシャリストが陰で支えていること、ご存じですか。H-IIAそしてH-IIBロケットを発射点(launchpad)まで正確に届ける運搬台車、その名も「ドーリー」。ここでも、三菱重工の先進技術が活躍しています。

(注)当社で製造したH-IIAロケットを用いて、国内外のお客様の人工衛星を宇宙空間の予定した軌道まで送り届けるサービス。また、三菱重工はロケットの開発・設計・製造から打上げまでを、一貫して実施できる世界唯一の企業。

宇宙に向けて、いざ打上げ地点へ

H-2Aロケット

ロケットの発射点がある種子島宇宙センター。宇宙へ旅立つ準備を終えたロケットは、その整備組立棟から移動発射台に載せられたまま約500メートル離れた発射点へと移動します。H-IIAロケットは長さが約50メートルで、20階建ての高層マンションに匹敵する高さがありながら、直径約4メートルという細長いロケット。移動発射台まで含めた高さは約60メートル、重さは約1,100トンにもなります。それを立てたまま揺れないように、安定した姿勢で発射台ごと持ち上げて、確実に発射点へ届けること。それが、ロケット専用運搬台車「ドーリー」の役目です。発射台の左右両端を2台のドーリーで支えながら、時速2キロメートルでやさしく運んでいきます。2台のドーリーが巨大なロケットをつねに水平に保てるよう、自らをコントロールして走行する。それは最先端の制御技術が成せる技なのです。

宇宙へ旅立つ準備を終えたロケットは、その整備組立棟から移動発射台に載せられたまま約500メートル離れた発射点へと移動

緻密に運んで、自動で届ける

ドーリーは運搬中にロケットが倒れないように、つねに路面の凹凸を監視しています。センサで凹凸を察知すると、瞬時に油圧をコントロール。車体の前後左右バランスを修正して、ロケットをつねにプラスマイナス0.2度以内で垂直にキープします。また発射点へ、前後左右の誤差数十ミリ以内でロケットを据付ける高い精度も求められます。これを実現するのが、ドーリーの「全自動精密誘導システム」です。2台のドーリーは息の合ったコンビネーションで、ロケットを揺らすことなく狙いどおりにピタリと発射点へ届けます。その巧みさは、たとえカーブがあっても難なく通過するほどです。出発地と目的地を入力するだけで、この緻密な仕事をすべて自動制御(注)でやり遂げるドーリーは、まさに運搬のスペシャリストなのです。
(注)緊急時は手動操作が可能。

2台のドーリーは息の合ったコンビネーションで、ロケットを揺らすことなく狙いどおりにピタリと発射点へ届けます

電気をつくりながら、電気で走る

ドーリーの緻密な走りを支えるのが56個ものタイヤ。

ドーリーの緻密な走りを支えるのが56個ものタイヤ。モータやステアリングが装備され、それぞれが独立して動き、速度や進行方向を細かくコントロールします。だからぐるっと回転したり、横や斜めに進んだりできるのです。電子制御されたモータ駆動だからできる、これら繊細な技の数々。しかもドーリーは発電機を載せていて、自分で電気をつくりながら走っているのです。さらに、その電気は、絶えず電気を必要とする衛星にも、供給しています。

そのやさしく細やかな働きで、ドーリーは世界トップ水準の成功率を誇るロケット打上げ事業を、足元から支えています。
No.168 ココにもMHI
揺らさず、やさしく、ピッタリと。