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三菱重工グラフ表紙
2015年2月178号
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Leading Player ~先覚者に聞く~

国産初の旅客機エンジンを
MRJの翼のもと、大空へ!

夢の国産初のジェット旅客機MRJに搭載され、その優れた燃費性能や低騒音性などを生み出す新型エンジンPW1200G。民間用として国内初となるエンジン全体の組立・試験と燃焼器などの部品製造を担う三菱重工航空エンジン(注1)では、量産に備えた準備が着々と進められている。
そこで陣頭指揮に当たる亀田浩史に、プロジェクトリーダーとしての想いを聞いた。

Pick Up Pioneer
三菱重工航空エンジン株式会社 技術部 プロジェクトグループ 主席技師 亀田浩史
Profile

三菱重工航空エンジン株式会社
技術部
プロジェクトグループ
主席技師
亀田浩史(かめだ ひろし)

1996年三菱重工に入社後、航空機エンジンPW4000プロジェクトや航空機エンジン転用型ガスタービンパッケージの業務に従事。2009年以降、MRJに搭載されるPW1200Gのプログラムマネージャーを務める。

航空機エンジンPW1200Gとは?
写真:航空機エンジンPW1200G

プラット&ホイットニー社(以下、P&W社)開発の画期的なエンジン。正面に見えるファンと後ろに続く圧縮機の間にギアを配置し、最適な回転数で運用することで高い燃費効率と低騒音を実現。三菱重工航空エンジン製造の燃焼器は、窒素酸化物などの排出削減に貢献するなど環境性能に優れている。

世界を驚かせたエンジン

Q. 現在、担当している業務は?

A. P&W社をはじめ、三菱航空機、パートナー企業、関連社内部署など多方面への窓口を務めています。スケジュールやコストなどのプロジェクト管理を担当し、問題や要望があればP&W社との調整をはじめパートナー企業へも出向きます。日本の民間航空機業界は、長く部品製造のみに留まってきました。三菱重工も20年以上PW4000の部品製造に携わってきたのですが、徐々に信頼をかち得て、PW1200Gで初めてエンジンの最終組立と試験まで担当できるようになったのです。それは、日本の民間航空機エンジン産業界にとって初めてのこと。航空局の製造認定やP&W社とのプログラム調整、システムのつくりこみなど、当初は道筋が見えないことや責任の大きさに悩むこともありました。しかし、これほど大きなプロジェクトに関わり、エンジンの最終形態という成果を自分の目で確かめる日が来たら、進んだ道に間違いはなかったと確信するでしょう。同時に日本の航空史の一端を担えることに、喜びとやりがいも感じています。

写真:社内での様子

Q. エンジニアとしてPW1200Gへの想いは?

A. 子どもの頃から航空機エンジンのパワフルさが好きで、熱工学を学び三菱重工へ入社しました。PW1200Gはファンと圧縮機の間にギアを組み込んだ新型エンジンです。航空機エンジンにギアを利用するのは技術的に難しく、正直実現できるとは予想していませんでした。P&W社が20数年の歳月と莫大な開発費用を投じて信頼性を確立したことに、畏敬の念と驚きを感じます。

感動を仕事のエネルギーに

Q. このプロジェクトで心に残った出来事は?

A. 2012年、P&W社の工場で初めてPW1200Gの実物に対面したときは感動的でした。P&W社はボーイング747(注2)にPW1200Gを載せて模擬飛行試験に臨んでいたのですが、一連の作業を社外のエンジニアに見せるのは稀なこと。P&W社に対して、長いスパンの仕事を切磋琢磨しながらやり遂げていく仲間のように感じていましたが、このとき改めて当社を重要なパートナーと考えてくれていることを実感しました。また、他機種向け姉妹機エンジンであるPW1500Gの飛行試験を行ったパイロットから「すごく燃費がいいぞ。隣の機体にいるとエンジンが回っていることもわからないぐらい静かだ」と聞き、そのようなエンジンの製造に携われることに誇りで胸がいっぱいになりました。

Q. プロジェクトリーダーに必要な心構えとは?

A. 世の中に問題のないプロジェクトなど存在しません。まずは自分自身が解決するという気持ちで粘り強く取り組むこと、さらにあらゆる関係者の力を結集して問題を解決し、より優れた製品を生み出す必要があります。とりわけコスト管理と納期厳守は勝負どころ。そのため日頃から定期的に会議を開き、そこで自分に課せられた約束を率先して守り、信頼関係を構築しています。

「俺が手がけたエンジンだ!」

Q. PW1200Gはどのように社会へ貢献するのか?

A. PW1200Gの量産が進めば、部品製造・組立に関わる関連企業や物流サービスが盛んになるでしょう。また、低燃費・部品点数の削減による経済性や、低騒音・排出物抑制による環境負荷低減に貢献できると思います。プロジェクト完遂後、当社工場は航空機エンジンの一大製造拠点となるでしょうから、子どもたちに「日本で航空機エンジンを作るんだ!」と夢を与えることもできます。

写真:社内での様子

Q. MRJ初飛行に向けての感慨は?

A. MRJの初試験飛行の際には、機体が戻ってきて、滑走路に接地するまで肩の荷を下ろすことはないでしょう。今までのプロジェクトの長い道のりを振り返り、喜びと安堵感でおそらく泣くと思いますね(笑)。もちろん、MRJが定期就航した暁には、一乗客としてエンジンを見守りたいです。「俺が手がけたエンジンだ!」という感動はなにものにも代え難いですね。

(注1)三菱重工航空エンジン
民間航空機分野のエンジンを手がける三菱重工グループの事業会社。PW1200Gでは、プラット&ホイットニー社の製造拠点として航空当局の認定を受け、MRJを開発・製造する三菱航空機株式会社に最終製品を納入する。

(注2)ボーイング747
ジャンボジェットの愛称で親しまれているボーイング社(米国)の大型旅客機。40年以上生産が続く航空機のベストセラー製品。

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