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エネルギーは自給率向上とさらなる有効活用の時代へ

環境問題に対応しながら社会を持続的に発展させるには、低炭素社会に向けたエネルギーインフラを構築することが、いまや世界の共通課題となっています。さらに日本は、世界に向けて「2020年までに温室効果ガスを1990年比25%削減」という高い目標を宣言した国です。その実現に向けて、より積極的な試みが求められています。
その鍵の一つが電化の促進です。

「電化」が作り出す社会:スマートコミュニティ

再生可能な電気エネルギーの利点を最大限に活かすためには、発電設備の高効率化や電気自動車(EV:Electric Vehicle)の普及も重要ですが、そうした単体での省エネ以上に、これらを組み合わせた新しいインフラや社会システムの構築がより重要となります。これが「スマートコミュニティ」と呼ばれるものです。
スマートコミュニティとは、一口でいえば各地域で生産されるエネルギーを有効活用して、エネルギーをより効率的に利用するシステムのことです。

スマートコミュニティでは従来の方法に加えて、家庭や企業に設置した太陽電池や風車など再生可能エネルギーによる発電設備での発生エネルギーを、地域のコントロールセンターで監視し、極力有効活用します。
従来のスタイルを大規模•集約型とすれば、スマートコミュニティは各地域で有効利用する社会システムといえます。

エネルギー有効活用のスマートコミュニティ

スマートコミュニティを成り立たせるためには、まずは環境に負荷をかけずに電気を効率よく作りだす技術が必要です。地域にもともと存在する太陽光や風力、バイオマスや地熱などの再生可能エネルギーを使った発電設備を拡大することで、これまでの化石燃料に依存していたエネルギーバランスが改善されることになります。そのためには設備導入のコストを下げ、発電効率を高める技術開発が必要です。

同時に、原子力発電の拡大や火力発電の高効率化も欠かせません。発電時にCO2(二酸化炭素)を発生しない原子力発電は低炭素社会における有力な発電源ですし、すでに多くのインフラが整っている火力発電も他の発電設備に比べると、建設•運用コストの面で非常に有効です。
火力発電は、発電効率を大幅に向上させるガスタービン複合発電(GTCC:Gas Turbine Combined Cycle)や石炭ガス化複合発電(IGCC:Integrated coal Gasification Combined Cycle) 、さらに発電の際に発生したCO2を分離•回収し、海洋•地中に貯留するCO2回収装置(CCS:Carbon dioxide Capture and Storage)の導入などを進めることで、低炭素社会に合致した発電設備としてより効率的な利用が可能になるでしょう。
電気を使う局面においては画期的な省エネ技術や製品の登場が期待されます。ヒートポンプや省エネハウスがその一つです。

スマートコミュニティでは3つのインフラの整備が欠かせません。まず原子力、再生可能エネルギー、火力発電の効率化など、低炭素社会実現に欠かせない電気エネルギーインフラの拡充です。2つ目には、高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transportation Systems)、電気自動車といった蓄電機能の役割も果たす交通インフラです。そして3つ目が通信インフラです。これは、供給側と需要側の双方向で情報交換をし、必要なときに必要なだけ電力を供給するエネルギー•マネジメントを実現するために不可欠のものです。これら3つのインフラを融合することで、初めてスマートコミュニティの具体的な将来像が見えてくると考えています。

図:スマートコミュニティの将来像

V2H:Vehicle-to-Home H2V:Home-to-Vehicle

LRT:Light Rail Transit

スマートコミュニティのメリット

各地域でエネルギーを有効活用して、エネルギーをより効率的に利用するスマートコミュニティが誕生することで、社会はどのように変わり、そこで暮らし、働く人々にはどのようなメリットがあるでしょうか。
まず、風力•太陽光•水力など再生可能エネルギーからの電力を使用し、自然との共生を図ることができるようになる、というのが大きなメリットです。

図:交通•輸送システムと通信ネットワークが融合されたスマートコミュニティの将来像

交通•輸送システムと通信ネットワークで融合することも、スマートコミュニティ構想の重要なポイントです。地域内を走る電気自動車の蓄電量がわかるようになれば、充電のタイミングを、電力会社に余力がある時間帯に行えるようにスケジュール管理したり、あるいは、電力需要のピーク時には電気自動車の余った電力を集めて利用する、というようなことも構想されています。
このとき、従来のガソリンスタンドは、電気自動車の充電やバッテリー交換を行うステーションに変貌している可能性があります。地域に新しい産業が生まれ、新たな雇用の場を生み出すことも期待されています。
また、このように都市交通を電化することで、災害時などの非常用電源としても活用することができます。

参考文献

(1)環境省「環境白書•循環型社会白書•生物多様性白書 第3章」
http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h21/index.html

(注)2010年3月末時点での掲載内容を参考にしております。そのため、記載されているURLまたはその内容が変更されている可能性があります。