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次世代エネルギーインフラで作る未来

太陽光発電や風力発電を効率よく使用し、電気自動車(EV:Electric Vehicle)が域内を行き交う…そんな再生可能エネルギーを主軸とした地産地消型のスマートコミュニティ実現への取り組みは、すでに世界各地で開始されています。 ここでは実例として、アラブ首長国連邦(UAE)を構成する首長国の一つであるアブダビが開発を進めているマスダールシティと、国内でのプロジェクトを紹介します。

事例1:ゼロ•カーボンを掲げるアブダビ

産油国として経済成長が著しい中東のアラブ首長国連邦の首都アブダビが、いま大掛かりな都市計画を進行させています。アラビア語で“源”を意味するマスダールと名付けられたこの新都市が目指したのは、世界初のゼロ•カーボンと再生可能エネルギー100%の街。つまり、マスダールシティはCO2(二酸化炭素)を排出せず、さらに他の汚染原因物質も出さないという、究極のクリーン都市です。

その実現を大きく引き寄せるのが再生可能エネルギーの活用に他なりません。マスダールシティでは電力の供給を太陽光発電と風力発電等の再生可能エネルギーでまかない、数万人の居住者と市外からの訪問者や通勤者が活動するのに充分な都市機能を提供する構想です。また、スマートコミュニティのモデル都市として建設を進めるだけではなく、再生可能エネルギー国際機構(IRENA:International Renewable Energy Agency)の本部設置が決定するなど、今後の再生可能エネルギー新技術の発信基地となる存在感を、内外に強くアピールしています。

図:高度道路交通システムを用いた電気自動車のバッテリー管理のイメージ

アブダビでは、この壮大なプロジェクトの他にも、数百台規模の電気自動車やプラグインハイブリッド車等を用いた社会実験が計画されています。
たとえば高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transportation Systems)を駆使した電気自動車のバッテリー管理実験。域内全体の電力を効率的に使用するため、電気自動車の搭載バッテリー容量を遠隔管理し、必要に応じて電気自動車を充電ポイントへ導くナビゲーションシステムの開発と検証が進められています。

事例2:エコタウンでスマートコミュニティを実現

図:スマートコミュニティイメージ

国内でのスマートコミュニティ構想としては、各自治体が取り組んでいる実証実験があります。これらのプロジェクトでは、地域全体を「低炭素社会をリードするモデル都市」として位置づけ、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを積極的に活用する街づくりを目指しています。

ここで課題として取り上げられ、実現を求められているのが、再生可能エネルギーが不得意とする「刻々と変化する電力需要に応じた発電」です。太陽光や風力による発電は自然状況の影響を受けやすく、どうしても発電量のムラが生じます。需要のピーク時に合わせた太陽電池や風車などを導入すれば停電という事態を回避できますが、低需要時には余剰電力が発生します。一方で、需要が低い時間帯につくった電力を大量の蓄電池に貯めておいて、ピーク時に使用するという手段も考えられますが、こちらも設備コストが膨れ上がってしまいます。

そこで、電力と情報の双方向ネットワークを配備し、適切にエネルギーの需給調整を行うことが考えられます。電力需給情報をリアルタイムに使用者側にフィードバックすることにより、使用者側で再生可能エネルギーの発電変動を吸収しようというコンセプトです。たとえば、余剰電力が発生した時には、各家庭で温水をつくって貯めたり、電気自動車への充電を促したりします。反対に、発電量の低下を予測•感知した場合は、貯めておいた温水を使用したり、充電済の電気自動車の電力を使用したりすることになります。
例えば、第一段階として、宅内の電力需要をまかなう太陽光発電機能を実装した省エネルギー住宅の普及を行い、第二段階で需要に応じて電力を地域内で有効活用するコミュニティレベルに拡げ、最終段階は地域全体でエネルギーを有効活用できるスマートコミュティです。

この様に、スマートコミュニティの実証実験を行う意義はとても高いものがあります。これらの実証実験を通じて、日本の低炭素社会実現に向けて貴重な知見を得ることが期待されています。

参考文献

(1)Masdar City
http://www.masdarcity.ae/en/index.aspx

(注)2010年3月末時点での掲載内容を参考にしております。そのため、記載されているURLまたはその内容が変更されている可能性があります。