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化石燃料利用の効率化

地球温暖化対策は全世界の重要テーマです。なかでも化石燃料を使用する火力発電でのCO2(二酸化炭素)排出削減が重要な課題です。また、今後の電力需要の増大に対処するためにも、より高効率で発電する必要があります。ここでは、そうした要請に応える高効率発電技術を紹介します。

ガスタービン複合発電(GTCC)

図:コンバインドサイクル発電の仕組み

これまで火力発電は、昼夜や夏冬などの電力需要の変化に安定して対応できることや、コストメリットの観点から、電源の主力となってきました。その火力発電における燃料需要を見ると、過去30年間に世界で最も伸びたのが天然ガスです。さらに今後20年間もほぼ同様に増加すると予想されています。CO2発生量が石炭火力に比べ約4割少ないため、天然ガス火力発電の高効率化は省資源と同時に、地球温暖化防止策として非常に重要です。

そこで注目を集めているのが、ガスタービンと蒸気タービンで2重に発電するガスタービン複合(コンバインドサイクル)発電(GTCC:Gas Turbine Combined Cycle)です。
まず、天然ガスを燃焼させてガスタービンで発電します。また、ガスタービン排熱で高温の蒸気を発生させ、蒸気タービンで2回目の発電を行います。従来は捨てられていた排熱を再利用するわけです。
このように2回発電すると、同じ量の天然ガスから得られる電力は当然多くなります。ガスタービン単体または蒸気タービン単体での発電に対し、GTCCでは熱効率がより高くなります。また、現在は更なる熱効率の向上を目指して開発が進められています。

GTCCによる高効率な発電によって、天然ガスの消費量が減り、CO2の排出削減はもちろん、NOx(窒素酸化物)やSOx(硫黄酸化物)など有害物質の発生量も抑えられます。さらに海•河川に排出する温水も減り、環境に優しいというメリットもあります。

石炭ガス化複合発電(IGCC)

石炭は世界のエネルギーの約25%をまかない、埋蔵量も石油のおよそ3倍といわれています。化石燃料の中でも石炭は低コストの資源であり、埋蔵地域に偏りが少なく、安定的な確保が容易です。このような特徴を兼ね備える石炭資源の継続活用は、今後の電力供給に必要不可欠といえます。
しかし石炭には、石油や天然ガスに比べて燃焼時にCO2やNOx、SOxなどが発生しやすいという課題があります。

これらの弱点を克服する技術が石炭ガス化複合発電(IGCC:Integrated coal Gasification Combined Cycle)です。IGCCとは、石炭をガス化させ、ガスタービンで発電し、その排熱を利用して蒸気タービンで発電する複合発電です。蒸気タービンのみを回す従来型の石炭火力発電よりも効率がよく、CO2などの発生量も抑えられます。
また、IGCCでは火力発電には適さなかった低品位の石炭も用いることができ、化石燃料確保の切り札と期待されています。

写真:IGCC実証機外観

IGCC実証機外観

また、貯留に関し、環境への影響評価検討が必要ですが、CO2を回収するCO2回収•貯留(CCS:Carbon dioxide Capture and Storage)技術を組み合わせると、さらにCO2排出を抑えることが可能になります。

このように、IGCCは次世代石炭火力発電を担う中核技術であり、現在各種の実証試験が積み重ねられています。また、CCS機能を備えたIGCC設備の建設プロジェクトもすでに進められています。

固体酸化物形燃料電池(SOFC)

水素と酸素を化学反応させて電気と熱を取り出す燃料電池は、有害ガスを排出しない発電方法として脚光を浴びています。化学反応によって直接電気を得るため、発電効率が高く、同時に発生する熱も利用でき、トータルでエネルギー効率が高いのも特徴です。

燃料電池は、空気から酸素イオンを取り込む電解質の種類によって分類されます。なかでも電解質にセラミックスを用い、水素に加えてCO(一酸化炭素)も燃料にできる固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)は最も発電効率が高く、耐久性に優れます。そのため、家庭用から工場•ビル用、さらには発電所レベルまで幅広い利用が見込まれています。燃料のH2(水素)とCOは都市ガス•天然ガスから取り出せますから、燃料電池を広く普及させることがなおいっそう容易なのです。
また、SOFCは900~1,000℃という高温で作動することから、ガスタービンと連結しやすく、天然ガスや石炭の大型火力発電所での複合利用に期待が集まっています。「SOFC+GTCC」という究極の組み合わせによって化石燃料を高効率で活用するというわけです。燃料が天然ガスならば発電所全体の発電効率は70%以上、石炭なら60%以上を達成できるといわれ、現在のところ、火力発電において最も効率よくCO2排出量を削減する方法とされています。

コージェネレーション

コージェネレーションシステムとは、重油や都市ガスなど一種類の燃料から熱や電気など、複数のエネルギーを取り出して利用する仕組みを指します。
具体的には、ガスエンジンやガスタービン、ディーゼルエンジンなどを駆動して発電するとともに、その際に発生する排熱を給湯や冷暖房、蒸気による動力などでも有効活用するというものです。前述した燃料電池もコージェネレーションにすることができます。

コージェネレーションでは、従来は発電後に捨てられていた排熱を活用するので、全体のエネルギー効率が70~80%と極めて高く、化石燃料の使用量とCO2排出量を大きく削減できます。
また、電気を使う施設で発電するため、従来のように遠くの発電所から送電される途中で発生するロスがほとんどないのもコージェネレーションの長所です。
日本では1980年代から本格的な設備導入が始まり、導入件数は現在も増えています。空調や給湯の需要が多いレジャー施設、ショッピングセンター、ホテル、病院、電力と動力の消費が大きい工場などを中心に導入されてきましたが、最近では都市ガスを利用した燃料電池による家庭用コージェネレーションシステムも登場しています。

参考文献

(1) 電気事業連合会「エネルギーの基礎」
http://www.fepc.or.jp/library/publication/pamphlet/pdf/enekiso08_09.pdf
(2) 新エネルギー財団 SOFCプロジェクト
http://sofc.nef.or.jp/index.html
http://sofc.nef.or.jp/pamphlet/pdf/sofc_pamphlet.pdf
(3) 天然ガス導入促進センター コージェネレーションシステムって何?
http://www.cgc-japan.com/japanese/cogene/index.php

(注)2010年3月末時点での掲載内容を参考にしております。そのため、記載されているURLまたはその内容が変更されている可能性があります。