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世界のエネルギー安定供給と持続可能な社会の実現のために三菱重工に期待すること(2006年2月28日開催) page2

世界のエネルギー安定供給と持続可能な社会の実現のために三菱重工に期待すること

自然エネルギーで地域活性化

田浦氏:
私たちは現在、地域で様々なパートナーシップを結び、地域での取り組みを広げています。なかでも力を入れているのが自然エネルギーの普及です。エネルギー政策は国策であるとの考えから、地方自治体はエネルギー政策を持てていません。エネルギー政策がなければ省エネも進みません。しかし、分散型の自然エネルギーなら、独自の地域エネルギー政策を持てる可能性があります。自然エネルギーには確かに欠点もありますが、何よりいい点は地域に元気を出させる力があることです。省エネには「節約、節約」とがまんするという先入観もありますが、ポジティブなイメージを与えられるのです。その意味で、三菱重工が、地域社会を重視し、岩手県雫石町で実施しておられるバイオマス利用の事例*5は、高く評価できると思っています。

大澤氏:
地域活性化という点では、バイオマスエネルギーの可能性が大きいですね。地域特有のバイオマスを、「地産地消」でエネルギーに変えていく動きは広がっていますし、我々もサポートしていかなければと思っています。例えば、これまでその地域では捨てていたものを、バイオマスの原料として活用することなどが考えられます。もっと地域に根ざしたエネルギーを考えていかなければと思っています。

北川氏:
バイオマスは非常にいいですね。三菱重工はこれまでは技術的なトップリーダーでしたが、雫石の例では小岩井農牧と地域を結ぶソフトのリーダーとなったわけです。この事例のように、今後はもっと地域社会と関わり、地域のマネジメント役としてコーディネートしていくといいと思います。

古屋:
雫石のプロジェクトは、自治体・地元企業等の関係者のコンセンサスを得るのに非常に時間がかかり、4年弱かけてようやくスタートしました。効率性を求める企業としては難しい面もありますが、これからの新しい社会合意型事業の雛型になると思います。すでに雫石の 次なるプロジェクトも進めています。地域社会の活性化として取り組んでいると、「自然エネルギーを使いなさい。省エネしなさい」と単純にいう場合と違い、地域の人たちと一体となって、私たちも働く喜びを感じる効果があることを実感しています。

「サプライサイドの発想」を変える

古屋:
雫石の取り組みを皆さんに高く評価していただき嬉しく思っています。これは国の「バイオマス・ニッポン」での民間主体の第一号案件にもなっています。しかし今日のお話をお伺いしたところ、あまり知られていないようです。雫石に限らず、当社の技術者の中には、社業を通じて、社会や環境に貢献しているのに、それがなかなか伝わらず、悔しい思いをしている者が多くいます。

北川氏:
その「悔しい」というのは、まだまだサプライサイドの発想なのですよ。誰も「環境にいい雫石」とはいわないですね。それは社会に対する伝え方にも問題があるのです。サプライサイドという立ち位置が変わらないとだめです。私もマニフェスト運動をやってきましたが、社会的に認められるには、地道な努力に加えて大切な要素があるのですね。仲間と一生懸命やっていたときは、なかなか広がらなかったものが、総選挙に一度使われたらあっという間に浸透しました。100の運動よりひとつの総選挙、ひとつの流行語大賞というわけです。「バイオマス」は非常にいい言葉だと思いますから、プレゼンテーションの仕方によっては広まっていく可能性があると思います。

古屋:
確かに私たちの事業は、企業が顧客であることが多く、消費者に直接届ける製品が少なかったことから、顧客の顧客、つまり市民に声を届ける活動が十分でなかったと思います。その意味で雫石のような事業が、当社のサプライサイドの考え方を転換するいいチャンスにな るかもしれません。

辰巳氏:
今回のミーティングに参加させていただくにあたって、多くの資料をいただき、三菱重工は本当に色々と考えて下さっているのだな、と思いました。と同時に、これをどう社会に伝えているの?と疑問も持ちました。特にエネルギーは、製品などのものと異なり、見えないだけに消費者にとって遠い存在となりがちで、将来石油が供給不足になる可能性があることを漠然と理解してはいても、日常の行動につながりません。ですから、省エネによる家計の節約や、エネルギー変換や利用プロセスでのトータルな環境負荷の低減などについて、消費者のわかることばで、もっと日常の行動につながるような情報提供をすることで、社会全体のエネルギー使用量削減に貢献していただけるといいなと思っています。

*5 岩手県雫石町のバイオマス利用
農場内で食品加工残渣と家畜糞尿のバイオマスを複合し、発生したメタンガスによる複合バイオマス発電事業。

■世界のエネルギー安定供給と持続可能な社会の実現のために三菱重工に期待すること
(2006年2月28日開催)

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