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地球との絆:社員が紹介する私たちのCSR活動

沖縄の海でサンゴ礁を再生し増やしていくプロジェクトに挑戦しています。

三菱重工鉄構エンジニアリング株式会社

サンゴは、動物でありながら、植物と同様、光合成でCO2を吸収し酸素を出します。またサンゴ礁は、熱帯雨林と並んで地球上最も生物多様性が高い場所。そんなサンゴ礁が、海水温上昇によって各地で白化(死滅)しています。三菱重工鉄構エンジニアリング(株)は、2004年からサンゴの生育に関する実験を開始。その5年後、新しいサンゴ増殖方法の開発に成功しました。そして、2011年から、サンゴ礁の再生プロジェクトを開始しています。これは、「サンゴを守ろう」ではなく「サンゴを増やそう」という画期的なプロジェクトです。

写真:サンゴ
写真:木原一禎
橋梁事業本部
技術統括部
部長代理
木原 一禎

2004年、三菱重工鉄構エンジニアリング(株)が沖縄県に建設した浮桟橋(注1)において、桟橋「先端部」でサンゴの移植実験をすることになりました。この実験を、アクアリウム関連のベンチャー企業、(株)シーピーファームと共同で進めていたところ、意外にも、移植していない部分でサンゴが育ち始めました。
その原因を調査した結果、「電気防食(注2)を施している浮桟橋が発生する微弱な電流がサンゴの生育に良い影響を与える」という仮説を得ました。そこで、電気防食の専門会社である日本防蝕工業(株)を迎え、2006年から東京大学、サンゴの生態・繁殖に詳しい阿嘉島臨海研究所、(株)シーピーファームと共同で、サンゴの増殖に関する研究を開始しました。
竹富東港、黒島港の浮桟橋で防食電流の測定や、石垣港沖合での実験、東京大学での室内サンゴ飼育実験を重ね、2009年に「特定の値(50mA/m2前後)の電流密度(電場)がサンゴの成長を促進する」という結論にたどりつきました。また、サンゴ礁の炭酸カルシウム基盤(注3)を電着(注4)で短期間につくる方法も確立しました。これによって、サンゴ幼生の着床数は、従来の素焼きタイル基盤を使う方法を採用した場合の4~5倍に増えます。2011年1月には、糸満市からサンゴ基盤(サンゴ棚)8台を受注し、4月に石垣島の名蔵湾に設置。現在、地元漁協と交流しながら、サンゴ礁を再生し増やしていくプロジェクトに取り組んでいます。しかし、相手は大自然。この取り組みが成功するとは限りません。とはいえ、これが、沖縄の海にサンゴ礁を再生していくという目標に近づく大きな一歩であることは間違いありません。

写真:竹富島・竹富東港浮桟橋と浮桟橋に付着したサンゴ

竹富島・竹富東港浮桟橋と浮桟橋に付着したサンゴ

電気防食によって生じる微弱電流で浮桟橋の側面にサンゴが付着(写真は2010年11月時点)

写真:石垣島の名蔵湾に設置したサンゴ基盤(サンゴ棚)

石垣島の名蔵湾に設置したサンゴ基盤(サンゴ棚)

サンゴ棚に微弱電流を流して、サンゴの幼生着床に有用な炭酸カルシウムを形成する

(注1)浮桟橋(三菱重工製):本体(10メートル×35メートル程度)は鋼板製。現地の港で、鋼板の上面と側面にコンクリートを打設し浮かせて設置。
(注2)電気防食:ここでは、鋼板が海水中で腐食する(錆びる)のを防ぐために、アルミニウムを底板近くに設置し、鉄(鋼板)が陰極、アルミが陽極となって微弱電流が流れるようにすること。
(注3)炭酸カルシウム基盤:サンゴが石灰化して岩などの表面につくる、固着・成長のための基盤。
(注4)電着:ここでは、微弱電流によって、陰極の鋼板に海中のカルシウムイオン、炭酸イオンなどを固定化し、炭酸カルシウムを形成すること。

三菱重工に期待すること

写真:増川敏行氏<

次世代に豊かな海の姿を伝えていきたい。

株式会社シーピーファーム
代表取締役社長
増川 敏行氏

このプロジェクトは、私どもの企業理念である「自然を傷つけず、より広く自然のすばらしさを伝えること」に合致しており、サンゴをはじめ海洋の生物・環境に関する私どもの知識やノウハウがお役に立てればと考えて、参加いたしました。
石垣島の海中作業にも協力しておりますが、サンゴは年に1度しか産卵せず、その上、海水温の上昇、大型化する台風、環境破壊など、サンゴ再生には厳しい条件がそろっています。
しかし、海本来の豊かな姿を取り戻すために、このプロジェクトは大切であり、継続することを心から望んでおります。

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