適正管理と代替化で使用・排出を抑制
PRTR対象物質の低減
2010年度PRTR(注1)対象物質総排出量は1,948トンとなりました。
PRTR対象物質のうちキシレン、トルエン、エチルベンゼンが全体排出量の約97パーセントを占めています。主に塗料や洗浄用として使用していますが、キシレンについては、船主による指定があるなど代替化が難しい船舶用塗料に使用されており、削減が難しい状況にあります。
しかしながら、2010年度は、船主のご協力もあり、3隻の船舶の指定済みのキシレン等含有塗料を一部それらを含有しない水性塗料へ切り替えることができました。このように、代替製品(水性塗料など)の採用など、着実な削減活動を推進しております。
(注1)PRTR:環境汚染物質排出移動登録(Pollutant Release and Transfer Register)の略。有害化学物質の排出量や移動量などを公表する仕組み。化学物質排出把握管理促進法(化管法)により規定されている
有機塩素系化学物質の削減と代替化を推進
三菱重工では、塗料の剥離剤や油の洗浄剤として使用しているテトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、ジクロロメタンの使用削減に取り組んでいます。大気排出量は、2010年度は92.9パーセント削減と前年度に比べ3.3ポイント削減が進みましたが、「2010年度までに大気排出量をゼロにする」という目標は未達成となりました。
なお、ジクロロメタンについては、2008年度に非ジクロロメタン系剥離剤への代替化の検証を終了。2009年度は代替化に向けた設備改修工事を実施し、2010年度から順次代替化を推進しています。一方、テトラクロロエチレンとトリクロロエチレンについても、現在、代替剤の選定評価や仕様変更の検討を中心に活動を推進しており、今後も目標達成に向けた取り組みを継続していきます。
有機塩素系化学物質の大気排出量

| 年度 | 1996年度 | 2006年度 | 2007年度 | 2008年度 | 2009年度 | 2010年度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ジクロロメタン | 55.0t | 18.2t | 20.3t | 23.7t | 18.6t | 8.9t |
| トリクロロエチレン | 54.2t | 0.8t | 0.6t | 0.6t | 2.1t | 0.7t |
| テトラクロロエチレン | 153.0t | 2.3t | 2.5t | 11.5t | 6.6t | 9.1t |
HCFC(注)排出量

| 年度 | 1996年度 | 2006年度 | 2007年度 |
|---|---|---|---|
| ジクロロペンタフルオロプロパン | 3.3t | 1.0t | 5.0t |
| 1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン | 15.7t | 10.1t | 22.8t |
| クロロジフルオロメタン | 0.2t | 0.1t | 0.3t |
| 年度 | 2008年度 | 2009年度 | 2010年度 |
| ジクロロペンタフルオロプロパン | 2.0t | 1.0t | 6.3t |
| 1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン | 22.6t | 15.7t | 0.3t |
| クロロジフルオロメタン | 0.0t | 0.0t | 0.0t |
(注)HCFC
オゾン層破壊物質であるハイドロクロロフルオロカーボンの略。オゾン層破壊物質を規制する「モントリオール議定書」によって2020年までに生産全廃となることが決められている
自主目標を設定してVOCの大気排出量を削減
VOC(揮発性有機化合物)は、光化学スモッグの原因物質であることから、大気汚染防止法によって一定規模以上の排出施設からの排出が規制されています。三菱重工では、法規制遵守に加えて、2008年度から、特に排出量の多いキシレン、トルエン、エチルベンゼンの削減を中心に、「2010年度のVOCの大気排出量を2000年度比30パーセント以上削減する」という自主削減目標を設定し、削減に取り組んできました。
2010年度の排出量は1,881トンであり、2000年度比17.1パーセントの削減となり、残念ながら目標は未達成となりました。
一方で2011年度は、名古屋航空宇宙システム製作所に蓄熱燃料式のVOC処理装置を設置するなど対策設備の導入を行っており、今後も事業所間の情報共有を進めることなどにより、着実に削減活動を続けていきます。
PCB使用機器の委託処理を推進
三菱重工の各事業所が保管・使用しているPCB(ポリ塩化ビフェニル)使用機器には、2006年3月に政府全額出資の日本環境安全事業(株)(JESCO)に登録し、2007年に廃棄処理の委託契約を締結。2010年度までに11の事業所(注2)で委託処理が進んでいます。一方、JESCOが処理していない微量なPCB使用機器についても、PCB特措法に基づいて2016年7月までに無害化処理する必要があるため、2011年度中に対応を検討する考えです。
また、2010年度末までにPCB使用機器の使用を全面停止するという目標は計画通り達成しました。
(注2)三菱重工本社、工作械事業部、岩塚地区、機械事業部、高砂製作所、名古屋航空宇宙システム製作所、名古屋誘導推進システム製作所、長崎造船所、神戸造船所、冷熱事業本部、交通・先端機器事業部

PCB保管状況

