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原子力をとりまく人々

vol.80「地域と共に歩む泊発電所」
-泊3号機営業運転を開始-

北海道電力 常務取締役 泊原子力事務所長 汐川 哲夫 氏

汐川哲夫

  1. 北海道は一世帯あたりのエネルギー消費量は全国平均の約1.5倍と高く比較的脆弱なエネルギー構造といわれている。
  2. 昨年12月に泊3号機が営業運転を開始し、北海道の電力の約40%を原子力発電で供給できるようになった。これに伴い、北海道電力のCO2排出量は従来と比べて2割から3割抑制することができる見込み。
  3. 泊発電所はこれまで特に大きなトラブルもなく稼働率も良い成績を残しているが、これも地元の皆様のご理解があってこそのもの。安全運転をきちんと継続していくことが信頼されるためには一番大事と思っている。

「地域と共に歩む泊発電所」-泊3号機営業運転を開始-
北海道電力 常務取締役 泊原子力事務所長 汐川 哲夫 氏

北海道とエネルギー

北海道は、冬場の暖房に灯油等を沢山使いますので、一世帯あたりのエネルギー消費量は全国平均の約1.5倍と高く、石油への依存度が高いことなどから、比較的脆弱なエネルギー構造といわれています。
一方、北海道の電力需要はこれまで堅調な伸びを示しており、当社はエネルギーの安定供給と低炭素社会の実現に向けて環境特性の優れた電源開発に取り組んできました。地球温暖化防止にむけてはCO2排出量削減のため非化石エネルギー電源比率50%を達成する見通しです。
これまで、北海道の電力の約25%は泊発電所1、2号機(各57.9万キロワット)の2つの原子力発電所で供給してきましたが、昨年12月22日に泊発電所3号機(91.2万キロワット)が営業運転を開始しましたので、道内の電力の約40%を原子力発電で供給することが出来るようになりました。環境面や経済性に優れた泊3号機が加わることにより、当社の電源構成は、水力、石炭火力、石油火力、原子力がそれぞれ4分の1から5分の1程度と特定の電源に偏らない、バランスの良いものとなっています。原油価格の高騰といった燃料情勢の変化にもより柔軟に対応できるようになりました。

泊発電所3号機について

このほど営業運転を開始した泊発電所3号機を加え、1,2,3号機を合わせると207万キロワットの発電設備となり、北海道では最大の発電所になりました。

泊発電所3号機
泊発電所3号機

3号機は1,2号機の建設と運転で得た経験を充分活かすとともに、最新の設備を取り入れて安全で信頼される発電所をめざしています。
設備面では、運転をコントロールする中央制御室に国内の加圧水型(PWR)原子力発電所では初めて、総合デジタル化計測制御システムを採用しています。運転操作や監視のしやすさが特徴で、監視・操作の機能を集中したコンパクトな制御盤の配置と、発電所の運転状況が一目で見渡せる大型表示盤により運転員の情報共有や、プラント設備全体の状態把握が容易になりました。

3号機新型制御盤
3号機新型制御盤

また、発電効率を高めるため、低圧タービンの最終段翼には国内最大の54インチ翼を使用した高効率タービンを採用し最先端の技術を導入しています。
建屋面でも周辺の環境に調和する景観デザインとなるよう、学識経験者の方々のご指導と地元からのご希望もお聞きして新たな景観デザインを採用致しました。
平成15年11月に着工し、予定どおりの工期で営業運転を開始することができたのは三菱重工さんをはじめ建設に携わられた多くの協力会社の方々のご努力によるものと深く感謝しています。電力会社にとってもメーカーにとっても色々な面で技術継承がなされたプラントであると考えています。
現在、地球環境問題でCO2排出量の抑制は大きな政策目標になっていますが、化石燃料に替えて原子力発電を行うのは極めて大きな効果があります。3号機の運転で当社のCO2の排出量は従来と比べて2割から3割程度抑制することができる見込みです。今後とも泊発電所では安全確保に万全を期して、順調な運転を継続することにより、原子力発電所の稼働率を向上させると共に、CO2排出量の抑制に寄与していきたいと考えています。

泊発電所3号機導入に伴うCO2排出原単位低減 出典:ほくでんグループサステナビリティレポート
泊発電所3号機導入に伴うCO2排出原単位低減
出典:ほくでんグループサステナビリティレポート

地元と共に

泊発電所1号機は平成元年に営業運転を開始しており、昨年には20年を迎えることができました。おかげさまで泊発電所は特に大きなトラブルはなく、稼働率も日本の原子力発電所の中ではかなり良い成績を残しています。これも地域の皆さまのご理解があってこそのものと考えており、地域の皆さまにご心配をかけないように安全運転をきちんと継続していくことが信頼されるための一番大事なことだと思います。
地域の皆さまからの信頼確保のためには、出来る限りの地元調達や雇用の確保を継続していくことも大切です。ほくでんグループの企業や協力会社、関連業界にもご協力をいただきながら、多くの地元出身の方に発電所で働いていただいています。3号機の建設においても、できる限り地元の活用を進めて地域の活性化につなげるように取り組んできました。
また、親しみのある発電所であるためには平素から発電所で働く人たちの顔が見えるようにしておくことが大切だと考えています。例えば「FACE」という地元向け広報誌で地元出身の社員について紹介したり、地元と各種のイベントを共催で行うなど、様々な形で地域の皆さまとのふれあい活動を実施しています。
イベントの一つの例ですが、地元泊村では毎年9月に「とまりマラソン」を開催しています。この大会は三菱重工長崎造船所のマラソン部に協力していただき、平成6年から行っていますが、今では地元のイベントとして定着し、毎年道外からの参加者も含めて約1,000人が走る大きな大会になりました。
最後に北海道の観光資源は豊富です。泊発電所周辺の地域はウニ、鮭、イクラ、イカなどの海産物からスイカ、メロンなどの農産物まで新鮮な味覚も楽しめるほか、今の時期は東洋のサンモリッツともいわれるスキーのメッカ、ニセコ連峰の雄大な山並みを背景としたスキーもお勧めです。 札幌の雪祭りやオホーツク海の流氷見物など真冬の北海道を楽しめる各種のイベントもあります。ぜひ北海道に足をお運びいただき、機会がありましたら当原子力PRセンター「とまりん館」にもお越しいただきたいと思います。


汐川 哲夫 常務取締役のご紹介

1973年 北海道大学工学部原子工学科卒業
北海道電力株式会社入社
2003年 同社 理事 函館支店長
2005年 同社 理事 秘書室長
2007年 同社 理事 広報部長
2008年 同社 常務取締役 泊原子力事務所長

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