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放射線と生活

半導体と原子力 -プラズマCVD装置-

プラズマCVD装置

原子力は平和利用を開始してから50年になりますが、半導体もトランジスタが発明されてから約50年たちます。原子力発電プラントは、現在、過去最高の436基が世界で運転(2002年末)するようになりました。

この原子力の開発には膨大で複雑な計算が必要となるため、コンピューターの活用は欠かせません。三菱が原子力発電プラントの設計用に1962年にアメリカから輸入したIBM7090型計算機は当時世界最先端の機種で、真空管ではなくトランジスタを採用したので有名でした。

現代のコンピューターには欠かせない半導体ですが、この開発も日進月歩でした。1957年頃に考えられた集積回路は1つの結晶の上に複数の部品を搭載しようというもので、当初はシリコン上に5つか6つのトランジスタを乗せていました。製造技術の進歩に伴い今日では100万の桁を超えた部品が1つの回路に搭載され、ミクロンオーダーの加工が現実のものとなっています。

この分野の新製品として、当社はプラズマCVD装置を開発しました。CVDとは、Chemical Vapor Deposition の略称で化学蒸着法といわれる技術です。今日、半導体の製造では微細な回路と絶縁膜をシリコンの円盤上に加工していますが、この製法に原子力で開発したプラズマ制御技術を応用しました。

超高温で熱された気体中では、原子は原子核と電子に分かれて自由に動き回り、固体、液体、気体とは異なる、物質の第4の状態になります。これがプラズマで、目に見えるものとしてはオーロラや稲妻などが有名です。

核融合とはプラズマを取り扱う技術です。閉じ込めたプラズマは直接見ることができませんので、見えない状態のプラズマを制御するために開発したシミュレーション技術を半導体製造に活用したものです。

この装置は、真空容器内に円盤状のシリコンをセットし半導体の原料ガスを入れた後、電圧を加えてプラズマを発生させます。このプラズマをうまく制御して均一な絶縁膜を加工するもので、半導体素子にやさしい成膜法であることや生産性が高いこと。更に用途が広く考えられる点が特長です。

「半導体と原子力」。一見、関係のなさそうな技術ですが、いずれもアインシュタインに始まる現代物理学を源に50年前から発達を遂げてきた技術が今日一緒になって活躍しているのです。


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